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【雑 感:2001/11/23】
VOICE
「組織」と「人」
★一連の不祥事の根っこにあるもの★
余りにたくさんの重要な事が次々と起こる。次々と重要な問題が並行的に発生してくるので、あれもこれも取り上げねばと思うあまり、焦りの気持ちが募る一方であるが、時間的物理的制約の下では、すべてを取り上げることは不可能である。そうかといってマゴマゴしていると、中身がステイルになってしまうかもしれない。というわけで、【雑感】というタイトルで、いま現在感じていることを取り上げてみようと思いついた。まず私の頭の中に浮かんだのは、「外務省斎木人事課長更迭問題」であった。
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誰か私の次の疑問に、適切な回答を与えてほしい。
「小泉首相はなぜ、斎木人事課長を更迭しないのであろうか?」国民に対して、更迭しない正当な理由があるのであろうか?田中真紀子外相が更迭要求の理由として言った「人心の一新」は、国民の常識では測れない一連の不祥事が続いた外務省内の規律を正すために充分意味のある一つの措置である、と私は共感する。
「なぜ小泉首相は、斎木人事課長を更迭しないのか?」マスメディアは、なぜ小泉首相にその質問を投げかけないのか?なぜ民主党は、(これに関しては、また日を改めて取り上げたいと思うが)些末な「指輪問題」に拘泥して、小泉首相にこの重要な質問を問いかけないのか?
もし彼らが、この「斎木人事課長更迭問題」を大した問題ではないと考えているのであれば、それは大間違いである。小泉首相お得意の「特殊法人改革」にせよ、狂牛病に対する農水省の対応にせよ、外務省の「プール金問題」にせよ、要するに日本の行政が抱え込むすべてのそれら不祥事の根っこにあるものは、決して組織や手続きの問題ではないはずだ。マスメディアは、意識的かどうかは知らないが、そこを直視せず、国民は、小泉首相とマスメディアの甘言にごまかされている。小泉首相の所謂「小泉改革」は、すべて組織、手続きの改革に過ぎない。それで日本は良くなるのか?
今般、与党内で決着した「7特殊法人改革」をとってみても、鬼の首を取ったように小泉首相は言っているし、マスメディアもこれまで待望していた「構造改革」の進展であるが、これで日本はどうなるのであろうか?景気は回復するのか?二度と外務省で、不祥事は起きないのか?狂牛病対策で大ミスを犯した農水省の二の舞は、二度とどこの役所でも起こらないのか?
読者のみなさんは、どう思われますか?マスメディアのみなさんは、どうですか?自信ありますか?
どこか違っているのではなかろうか?ボタンの掛け違いといった類のものではなく、私は根本的に、ものの考え方そのものが間違っていると思う。私は先に、不祥事の根っこにあるものは、組織や手続きの問題ではないと述べた。では何の問題なのであろう?それは、「人」の問題である。組織を動かすものは「人」であり、組織に動かされるのもまた「人」である。手続きを決めるのも「人」であり、手続きを実行するのも「人」である。たとえ組織を変えようが、手続きを変えようが、それを動かす「人」を代えずして、中身がどう変わってくるというのであろうか?私は改めて強く言いたい。
公共、民間を問わず、「不祥事」の背景にあるものは、組織や手続きではなく、「人」である。
従って、「人」を代えずして、「改革」はあり得ない。田中外相は、持ち前の蛮勇を持って、斎木人事課長ほか、会計、総務、在外公館の官房3課長の更迭を要求して、ここに踏み込んだ。これを、小泉首相に率いられた首相官邸が阻止した。これが外務省問題の本質である。民主党は参院予算委員会、外交防衛委員会で、この最重要の問題を取り上げることなく、「指輪問題」をしつこく追及することによって、首相官邸の後押しをした。誰が「外務省改革」の抵抗勢力か、明白ではないか。
小泉首相はなぜ、斎木人事課長を更迭しないのか?小泉首相、あなたは一連の不祥事で国民の税金を流用してきた外務省を、なぜ改革しようとしないのか?国民は、それを望んでいる。未だに70〜75%ある支持率を背景にあなたはたいへん強気のようだが、あなたの演説・発言の中に、「国民」という言葉の出てくる回数が少な過ぎやしませんか?
「外務省改革」において、あなたこそ「抵抗勢力」だ。
田中外相はまたいみじくも、急所を突いて次のように発言した。「人事課長を代えなければ、小泉純一郎首相は構造改革と言っているが、ダメでしょうね。」私もまったく同感だ。組織や手続きの変更のみにこだわり、「人」を代えようとしない小泉首相のやり方では、真の「構造改革」はできない。「小泉改革」は、単に自民党を生き延びさせるためだけの、「国民不在」の擬似改革であり、このような中途半端な改革に寄り道している時間は、いまの日本経済にはないはずだ。日本経済の動向は、世界経済にも大きな影響を及ぼす。
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小泉首相は田中外相に、「内輪で言うべきことに注意してくれ。あまりペラペラ人の言ったことをしゃべるもんじゃない」と注意した。最近、田中外相は”貝”になったという。日本の古くからの諺に、「出るものは、打たれる(この場合は、出るものは、打つ、デスナ)」「くさいものにはフタ」というのがある。小泉首相には、誰もあまり聞いたことがない「米百票」よりは、この二つの諺がずっとお似合いだと思うが。
中途半端な「小泉改革」のメリットは、それが日本経済に与えるデフレをはじめとする諸々のデメリットに比して、余りにも少ない。今年4月に首相に就任した当時は、一見ひ弱な印象もあったが、首相の知人でもある日経新聞田勢編集委員言うところの「テロリスト」は、最近とみに「怪物(モンスター)」に育ってきた印象がある。11月15日の日経新聞朝刊2面は、小泉首相が、来年の政治日程について「衆院選も参院選も統一地方選もない。これだけ選挙のない年は珍しいので思い切って改革をやりたい」と述べたことを伝えている。できるだけ早く小泉首相という「人」を代えないかぎり、日本および世界の経済は、大きな黒雲を抱え込んでいると言わざるを得ない。いつ何時、どしゃぶりの大雨に見舞われるか、不安がいっぱいだ。
(2001/11/24)
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