コレダケハイワセテ!
Today's 目覚まし Shot
【2003/10/26】
ー猿芝居 主役はコズルイ 狐面ー
「すべては予定通り」
第43回衆院総選挙の投票日は11月9日です
10月5日、都内のホテルで民主党と自由党の合併大会が開かれ、次期衆院選の公約となるマニフェスト(政権公約)が正式発表された。しかし翌6日の日経新聞朝刊一面トップを飾った記事は、石原伸晃国土交通相による藤井治芳日本道路公団総裁の更迭決断の報道であった。
石原国交相は5日午前、藤井総裁を国交省に呼び、約5時間に渡って財務諸表問題を中心に事情聴取を行った。会談後の記者会見で石原氏は、次の3点に言及した。
【総裁更迭の最大の理由】
「公団内部の混乱を招いたことと、国会での答弁が二転三転した点が大きい。国民の公団に対する信頼が失墜している現状では、改革を遂行することはできない。」
【総裁の後任人事】
「改革に積極的に取り組んでもらうために、速やかに人選に取り組みたい。改革意欲に富んだ人を人選しないといけない。後任人事は総選挙の投票日でも遅いくらいと考えている。」
【更迭は民主党大会を意識したものか】
「全く違う。国会で三時間、四時間と時間をとれない。私は任命権者なので、藤井総裁からじっくり話を聞かせていただきたいと考えていた。」
すでに藤井氏の解任が決定した本日26日の段階において、読者の皆さんに、上記石原国交相の発言内容をじっくり吟味いただきたいと思う。私のコメントは以下折々に詳述するが、たとえば石原氏はこう語っている。「国民の公団に対する信頼が失墜している現状では、改革を遂行することはできない」と。だから、藤井総裁を更迭するんだ、と。ほんとだろうか?
10月24日、石原国交相は「予定通り」、藤井総裁を解任した。・・・で、日本道路公団に対する国民の信頼は・・・回復したのであろうか?改革を遂行できるような現状になったと、国民は感じているのであろうか?読者の皆さんは、どう感じておられるであろう?
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【更迭は民主党大会を意識したものか】との記者の問いに、石原国交相は、「私は任命権者なので、藤井総裁からじっくり話を聞かせていただきたいと考えていた」と答えた。
そもそも石原氏は、9月22日の小泉第二次改造内閣で行革担当相から横滑りした。その日の記者会見で石原新国交相は、すでに道路公団問題について、「国民から信頼される経営陣のもとで民営化を成し遂げなければならない。大臣室にでも来ていただいて、債務超過を示す財務諸表の存在について”本当のところはどっちなんだ”と話をじっくり聞く」と語っていた。
また6日の日経朝刊2面に、このような記事も載っていた。
『小泉首相が5日、日本道路公団の藤井総裁更迭を了承したのは、10日の衆院解散直前に「民営化推進」を印象づける「予定通り」の行動だった。先の内閣改造で石原氏を国土交通相に横滑りさせたのも、更迭が基本方針だったからに他ならない。しかも、更迭劇は民主、自由合併大会の当日。衆院選をにらんだ政治の思惑が色濃くにじんでいる。「更迭するために、石原さんは国交相になったんだから」。石原ー藤井会談が設定された3日、首相周辺は明言した。』
で、なぜそれが、民主、自由両党合併の10月5日当日であったのか?・・・という記者の質問に対する石原氏の返事「藤井総裁からじっくり話を聞かせていただきたいと考えていた」は、すでに9月22日の国交相就任時点でそう考えていたわけだから答えになっていない。また同氏が国交相就任の記者会見で述べた「本当のところはどっちなんだ」の財務諸表疑惑は、結局、最終的な解任理由とはならなかった。
まあ、すべては日経の記事にも書かれていたように、小泉首相お得意のパフォーマンスであったのだろう。別に私は、民主党大会に合わせて藤井総裁解任劇を演じて見せたことが、悪いと言っているわけではない。問題は、その後の成り行きだ。
石原ー藤井会談の翌6日、藤井総裁が反撃に出た。「石原国交相は5日の会談で、更迭理由を明確にされなかった。公団が作った正式な財務諸表はただ一つで、専門家の先生方、扇前国交相の指導を受け全組織的に作成した。一部職員があいまいなデータをもとに作成した財務諸表は問題が多いと説明したが、国交相は一方的に否定的見解を述べられた」との声明を発表した。
7日の日経朝刊3面には、「私は悪いことはしていない」と言う藤井氏の反撃は、『小泉首相の「敵役」として、総選挙にらみの政治の具にされたことへの抵抗だったと指摘する声もある』との記事が出ていた。
この藤井総裁の辞任拒否という思わぬ「反撃」は、「意外だね」と言ったように小泉パフォーマンスにとって想定外の出来事であったようだ。
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話変わって、7日の日経夕刊2面”ダイジェスト”に、次の報道記事が掲載された。
自民党の安倍晋三幹事長は7日午前の記者会見で、次期衆院選の比例代表に導入する73歳定年制の焦点である中曽根康弘(85)、宮沢喜一(83)両元首相の扱いについて、「党や国会への多大な貢献は周知の事実。特に中曽根氏は当時の加藤紘一幹事長との約束があり、総合的に勘案しなければいけない。当然、ご本人の意思が尊重されるべきだ」と述べた。
これに先立つ党役員連絡会では、棚橋泰文青年局長(40)が定年制の完全実施を要求。杉山憲夫衆院議員(73)は、「私も関係者だ。老壮青のバランスも大切で、若い世代が知らないことを知っている政治家にも重みがある」と反論した。
9日の日経朝刊2面に、『自民党は8日、衆院解散する10日に発表する予定の比例代表の第一次公認名簿に、73歳定年制により去就が注目される中曽根、宮沢両元首相を登載しない方針を決めた。28日の公示日に合わせ発表する追加公認への登載はなお調整する』との記事があった。
同じく2面には、ASEANプラス日中韓首脳会議出席のためインドネシアのバリ島滞在中の小泉首相が8日、同行記者団との懇談会で73歳定年制に関し、次のように語ったとの記事が掲載された。
自民党の衆院比例代表の73歳定年制を例外なく適用せよというのが、若手の強い意見だ。ただ何事も例外のない規則はない。余人をもって代え難い人も中にはいる。最終的には本人が判断すべき問題だ。
この記事を読んだ中曽根、宮沢両元首相が、小泉首相の「最終的には本人が判断すべき問題だ」との発言に応えて9日昼、「本人の判断」として次のように語ったのは当然の反応であったろう。同日の日経夕刊2面の記事から。
自民党の中曽根元首相は江藤・亀井派の総会で、「比例代表候補として続けさせてほしい」と述べ、次期衆院選への出馬に強い意欲を示した。宮沢元首相も記者団に、「私もお願いしたい」と表明した。
同党は衆院選比例候補の73歳定年制を厳格に適用する方針で、首相経験者である中曽根、宮沢両氏に水面下で「自発的な引退」を働きかけてきた。両氏がこれを拒む姿勢を見せたことで、安倍幹事長ら執行部は公認するかどうか明確な判断を示さざるを得なくなった。中曽根氏は1996年に、当時の加藤幹事長から「比例での終身一位」を保証された。
上記記事は、実はかなり重要な意味がある。なぜなら、中曽根、宮沢両元首相が、「そろって」出馬意欲を表明したからである。読者の皆さんご承知のように、その後、宮沢氏は小泉首相の訪問を受けて「自発的に」引退を表明した。
しかし宮沢氏とて、9日の時点では、「私もお願いしたい」と出馬意欲を表明していたのである。このことが意味するところは、8日のバリ島における小泉首相の発言は、誰が聞いても出馬の是非は「最終的には本人が判断すべき問題だ」としか聞こえないということだ。小泉首相がそう言ったからこそ、中曽根、宮沢両元首相が直ぐに「そろって」出馬意欲を表明したのである。
更に重ねての引用で申し訳ないが、10日の日経朝刊2面からもう一つ。
比例代表候補への73歳定年制をめぐり、去就が注目される中曽根、宮沢両元首相は9日、そろって出馬への意欲を表明した。執行部は「自発的な引退」の道を探ってきたが、首相の裁断で決着させるしか道はなくなりつつある。
首相は同日、記者団に、「頭が痛い問題だ。本来はご自身で判断されるべきだと思う」と表明。夜に都内の料理屋で山崎拓副総裁ら同期議員と懇親した席でも出席者に意見を求めたうえで、「もう少し考えさせてほしい。(公示前日の)27日までに決断する」と苦しい胸の内を明かした。
小泉首相の発言のニュアンスが、やや変化しているのがおわかりであろうか?これまでは、「最終的には本人が判断すべき問題だ」と言っていたのが、いつのまにか「本来はご自身で判断されるべきだと思う」に変わってきている。このわずかな言葉の「すり替え」は、小泉首相の得意技の一つである。聞く者の気がつかないようなほんの些細な言葉の「すり替え」−−上記では「最終的には」が「本来は」ーーによって、いつの間にかその発言内容が根本的に変化しているのである。それなら、なぜ最初からそう言わないんだ?と言いたくもなる。
小泉首相の「本来はご自身で判断されるべきだと思う」との発言から、この時点ではすでに彼は、中曽根、宮沢両元首相を比例代表名簿から外す決断をしていると推測できる。小泉首相の恐ろしいところは、にもかかわらず、「もう少し考えさせてほしい。(公示前日の)27日までに決断する」と抜け抜けと言えるところである。
あまり早く言って手痛い「反撃」を喰う可能性を排除し、できるだけ公示日近くに先送りし、時間切れを狙うのが小泉戦略だ。「弱者」となった中曽根、宮沢両元首相の面子や感情などは斟酌せず、自分のパフォーマンスのためにはとことん利用し、ぼろ雑巾のように使い捨てていく、それが常に、小泉純一郎の「本性」だ。
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10月10日、衆議院は解散された。28日公示、11月9日投票の政治日程が、政府の臨時閣議で正式決定し、各党は事実上の選挙戦に突入した。
5日の会談の翌6日に藤井総裁から辞任拒否声明を喰らった石原国交相は、7日の閣議後の記者会見で粛々と藤井総裁の解任手続きを進めることを強調し、「申し訳ないと言うなら会ってもいい」と強がりを見せた。
9日の埼玉市での街頭演説では、「道を教えてあげたのに、道を外れ、道を知らない男があの総裁だ」と声を張り上げた。そして12日、テレビ番組の中で勢い余ってつい口がすべってしまった・・・。
13日の日経朝刊2面より。
石原国交相は12日のテレビ朝日番組などで、日本道路公団の藤井総裁と5日に会談した際、総裁が道路建設や国有地の払い下げなどを巡る政治家の不正・疑惑に言及したことを明らかにした。
国交相は、「総裁は誰かわかるような形で5,6人の政治家のイニシャルを示した。公表を求めると総裁は、”そんなことをしたら死人が出る”と話した」と会談の模様を明らかにした。道路行政を巡る政官の癒着をほのめかすことで、辞任を求める国交相に総裁が揺さ振りをかけたとの味方が出ている。
これは、実に、重大発言である。石原氏が、素人に毛の生えた程度の真っ白な政治家であるからこそ、ポロッと言えた発言であったと思う。
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「週刊文春」10月30日号、読者の皆さん、是非これは読んでいただきたい。今週29日(水)までの発売である。お目当てのタイトルは、「独占告白第二弾!藤井道路公団総裁”徹底抗戦”告発、すべて実名」である。
その内容は、限りなく興味深い。小泉「エセ改革」政治の実態は、これに尽きるーーと言えるほどの優れものである。たとえば・・・
私が口にした政治家は、記憶では、TとAとIです。故竹下登元総理のT、青木元官房長官のA、飯島勲首相秘書官のIです。この方々の話についてはイニシャルと同時に、実名でも話したはずです。竹下さんの名前は先週もお話したホテルニュージャパンの件、青木さんについては一昨年、公団が13件の工事をストップした際、そこに青木さんの地元島根県の工事が入っていて、お叱りの電話を直接いただいた件、そして飯島秘書官については、ある人事に絡んで私に電話をかけてきたことなどです。
青木氏の件に関しては、私のホームページのコメント「青木参院自民党幹事長」に状況が詳しく記載されており、最近アップしたものなので読者の皆さんもその内容はよく記憶されていることと思う。藤井前総裁が指摘の通り、道路公団の13件の工事発注中止の中に地元島根県の高速道路工事が入っていたことに怒り狂った青木氏が、ご説明にお伺いしますからと言う藤井総裁を、青木氏の事務所への「出入り禁止」にした件である。
このとき、石原行革担当相(当時)は道路公団の発注中止に理解を示したが、安倍官房副長官(当時)が直ぐに近く発注中止を撤回する方針を示唆し、小泉首相は記者団に、「道路公団が判断すればいいことだ」と述べ道路公団が発注中止を撤回する場合には容認する考えを示唆した。結果は言うまでもなく、直ぐに発注中止は撤回された。
実を言うと、飯島首相秘書官の件は、「ある人事に絡んで私に電話をかけてきたこと」がその内容であったので、大した話ではなかったのかと一瞬ガッカリしたのだが、読み進むにつれて驚愕した。これが事実なら、相変わらず総選挙で「エセ改革」を連呼している小泉首相にとって、致命的ではなかろうか・・・?
この話は、「文芸春秋」8月号で「藤井総裁の嘘と専横を暴く/恐怖人事、財務諸表の隠蔽、国会答弁の嘘」と題する内部告発を行った片桐四国支社副支社長(当時)に関わる問題であることを、まず頭に入れて置いていただきたい。
8月、公団が疑惑払拭のため、片桐氏と「文芸春秋」に対して刑事告訴に踏み切ろうとすると、「”総裁、いま直ぐ電話に出てください。非常に偉い人から電話がかかりますから”・・そう、私のところに村瀬興一副総裁が連絡してきた。誰だ?そう思い、電話を取ると、そこから聞こえたのは怒りに震えた飯島秘書官の声でした」。
飯島秘書官は長時間、総裁を怒鳴り宥(なだ)め、こう言った。「刑事告訴など、絶対に止めろ!総裁、あんたを左遷するとか更迭するとか、官邸の俺たちが考えている話があるが、単なる噂だ。俺たちは全く考えていない。だから心配するな。言う通りにしろ。悪いようにはしないよ。あのなぁ、俺はむしろ、あんたのことを守ってやっているんだからな」。
面白い!実に面白い!
飯島勲首相政務秘書官が、「俺たち」と言った。「俺たち」って、いったい誰を示唆しているのだろうか?その言葉によって、飯島秘書官は、自分の言葉に権威と信憑性を与えて相手を説得し易くしているのだろう。「説得」なんてもんじゃないな、これは。「脅し」に近いかもしれんな?おそらく飯島氏本人に詰問すれば、必ずやこういう返事が返ってくるであろう。「私は地声が大きいから、いつも誤解されるんです」と。
読者の皆さん、その言葉にお聞き及びがないであろうか?そう、それは例の「鈴木宗男」氏お得意の弁解の言葉であった。この飯島秘書官て、鈴木ムネオと「同じ穴のムジナ」なんであろうか?そして、「俺たち」って、誰なの?笑っちまうデ。
実は私のHPの「飯島勲 首相政務秘書官」の中にも、似たような場面が登場する。田中真紀子外相(当時)が固辞した外務省幹部人事案を、外務省に乗り込んでいった飯島秘書官が、無理やり真紀子さんに自筆で書かせた場面である。そこには、新外務事務次官として、外務審議官「野上義二」の名が記されていた。
あとで振り返ってみると、真紀子外相がなぜ野上新外務次官の発令に拒否反応を示したかが、よく理解できる。このとき、飯島秘書官は、自らこう語っていた。「大声を出したのはいけないと思っている。首相の秘書官が、外務大臣を説得するなんて、異常事態。二度とあってはならない。」
「説得」と言っているが、内実は「脅し」ではないのか?「二度とあってはならない」などと殊勝なことを言っているが、実は内実は「こればかり」なのではないか?特に、飯島秘書官が統括する「メディア総合戦略」の分野において。私は小泉政権が終焉を迎えたら、次の政権(まさか小泉シンパが次の政権を取れるとは思えない。なぜなら小泉政権により日本は目茶苦茶になるだろうから)は、この飯島秘書官を国会で喚問すべきと考えている。そのとき、メディア関係者を証言させて、小泉政権がメディアをどうコントロールしていたかの実態を暴露してもらいたい。日本を良くするために、是非そうなってもらいたい。
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「週間文春」の驚愕の記事は、まだ続く。
ある公団幹部が打ち明ける。「実は、飯島秘書官に内部情報をご注進していた人物がいるのです。その人物とは、村瀬興一副総裁です。実は、村瀬は宮繁護元総裁が藤井に頼み込んで副総裁になるんですが、この宮繁は、(故竹下元総理の”お稚児さん”で青木参院自民党幹事長ベッタリの)小野邦久不動産適正取引推進機構理事長(元建設省次官)と一体なんです。村瀬は小野と一緒の事務系で、技術系の藤井総裁とはまったく相容れない。一連の財務諸表疑惑の解明を何かと妨害してきたし、告訴を検討する理事会が開催されると察知するや、突然休んでそれを阻止していたような人物です。村瀬は青木サイドの意を受けて、なんとか小野を総裁につけ、青木の思うがままに公団を動かそうとしてきたのです」。
さらに別の公団幹部が、驚くべき実態を明らかにする。「役員の日程表は普通、全部日程を書いて総務担当理事にあげるんです。しかし藤井総裁の日程表は違う。アバウトな日程だけ書いて、総務担当理事にあげる。具体的なもの、例えば来客の名前あるいは根回しの行く先などは後で自分だけわかるように鉛筆で詳しく書くんです。なぜそんな面倒なことをするかというと、総裁の日程を村瀬副総裁などが密かに調べ上げ、それが当時の次官だった小野や青木事務所に流され、何度か支障を来たしたことがあったからなんです。
10月5日、藤井総裁との長時間会談を終え記者会見に臨んだ石原国交相は、藤井総裁の更迭を示唆して後任総裁の人事について、こう語った。
「改革に積極的に取り組んでもらうために、速やかに人選に取り組みたい。改革意欲に富んだ人を人選しないといけない。後任人事は総選挙の投票日でも遅いくらいと考えている。」
そして17日の9時間に及ぶ聴聞を経て24日、石原国交相は日本道路公団の藤井総裁に解任辞令を公布した。解任理由は、次の3点であった。
@「債務超過を示す財務諸表」を巡って混乱を招いた。
A公団の役職員との信頼関係を損ねた。
B外出中の藤井氏と連絡がとれないなど不自然な組織運営で、職責を誠実に遂行していない。
また後任総裁の人事について、石原国交相は記者会見で、こう語った。「民間出身の改革意欲に富んだ人が望ましい。(選任時期は)いつまでにとは申し上げられない」。公団法の規定により、後任総裁が就任するまでは、村瀬興一副総裁が職務を代行することとなる。
25日の日経朝刊3面が、民間人の後任総裁人選の難しさを、『経済界には、「これほど混乱している組織のトップを引き受ける民間人がいるのか」との声が強い』と報道していたが、都合が悪くなればぼろ雑巾のように使い捨てる小泉純一郎の「本性」が徐々に明らかとなってきたことが、最近、民間に引き受け手が枯渇してきた最大要因であろう。民間に引き受け手がいない場合は、国交相、財務省などの官僚OBを起用する案も浮上しているという。
さてとりあえず後任となった村瀬興一副総裁。この男こそ、「週間文春」のあの村瀬である。藤井総裁の解任理由の3点すべてに、「週間文春」の記事を信ずるならば、この村瀬副総裁が深く絡んでいることになる。解任理由3点への藤井氏の反論は、上述した「週間文春」の引用文の中にすべて記載されている。
藤井氏側は、解任処分の無効を求める行政訴訟や執行停止の申し立てを検討しているようだ。もし藤井氏の本来の任期が満了する来年4月までに解任処分の執行停止を裁判所が認めれば、藤井氏が総裁に復帰する事態も想定される。
しかし、なんと言っても現状の村瀬総裁代行治めるところの日本道路公団は、青木参院自民党幹事長、飯島首相政務秘書官、そして彼が「俺たち」と呼ぶその「同じ穴のムジナ」の人物にとって、とてもとても居心地が良い状況に違いない。彼らは正式後任総裁人事が遅れれば遅れるほど、気分がいいに違いない。青木氏ベッタリの小野不動産適正取引推進機構理事長の処遇を中心に、今後の道路公団人事の動きには、目が離せない。
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さて、話は再び石原国交相に戻る。
10月5日、5時間の会談を終え記者会見に臨んだ石原氏は、「私が納得できないことは、世間も納得できない」との名言で藤井総裁の更迭を決断したことを示唆し、「これから小泉首相に報告に行ってまいります」との言葉を残して首相官邸へ向かった。
そこで石原国交相は、小泉首相に藤井総裁との会談の内容を報告し、藤井総裁更迭の了承を取りつけたのであるが、いったい石原氏は、小泉首相に会談の内容をどのように報告したのであろうか?
率直に言おう。石原氏は、藤井総裁が会談で漏らしたというイニシャルT、A,Iの話を、小泉首相に伝えたのであろうか?藤井氏は「週刊文春」で、イニシャルだけではなく実名でも話したはずと言っている。石原氏は、藤井総裁が飯島首相秘書官の名前を挙げ、ある人事に絡んで電話をしてきたと言った話を、小泉首相に報告したのであろうか?
その答えを、読者の皆さんはどう推測されるであろうか?もし石原国交相が小泉首相にイニシャルの件を報告していないとすれば、藤井氏側からその話が漏れた場合、小泉首相に対する石原氏の立場はどうしようもなく酷いものになってしまう。その点から考えても石原国交相が、藤井総裁のイニシャルの話を小泉首相に報告したことは、100%確実だと推量する。小泉首相は、内心仰天したに違いない。もちろん表面は石原氏には、毛ほどもそんな態度を示さなかったであろうが。
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しかし藤井前総裁のイニシャル云々の話は、その後しばらく表沙汰になることはなかった。
7日、自民党の安倍幹事長は記者会見で、中曽根、宮沢両元首相に対する比例代表73歳定年制の扱いについて、「党や国会への多大な貢献は周知の事実。特に中曽根氏は当時の加藤幹事長との約束があり、総合的に勘案しなければいけない。当然、ご本人の意思が尊重されるべきだ」と述べた。
8日、バリ島での記者懇談会で小泉首相は、「自民党の衆院比例代表の73歳定年制を例外なく適用せよというのが、若手の強い意見だ。ただ何事も例外のない規則はない。余人をもって代え難い人も中にはいる。最終的には本人が判断すべき問題だ」と語った。
そして9日昼、中曽根、宮沢両元首相が、「出馬への意欲」の表明をした。
どうですか、読者の皆さん、この段階ですでに小泉首相や安倍幹事長が、中曽根、宮沢両元首相を比例代表候補名簿へ登載せずを決断していたとすれば、もはや両名は「詐欺師」と言わずして何と言えばいいのか?
中曽根、宮沢両元首相を73歳定年制の例外事項とすることは、安倍幹事長自身が、「党や国会への多大な貢献は周知の事実」「特に中曽根氏は当時の加藤幹事長との約束があり、総合的に勘案しなければいけない」、また小泉首相自身が、「ただ何事も例外のない規則はない」「余人をもって代え難い人も中にはいる」、また杉山衆院議員が、「老壮青のバランスも大切で、若い世代が知らないことを知っている政治家にも重みがある」と語っている如く理由は山積みであり、逆に両元首相をぼろ雑巾の如く使い捨てて自民党内や世間にいらぬ波風を立てないように先送りする方が、よほどこれまでの政界や世間の常識と合致すると思われる。
ところが9日、「頭が痛い問題だ。本来はご自身で判断されるべきだと思う。もう少し考えさせてほしい。(公示前日の)27日までに決断する」という風に、小泉首相の発言のニュアンスが変化してきた。いったい小泉首相に何が起きたんだ?それとも小泉首相は、しょせん「冷血」な「詐欺師」なのか?
12日、石原国交相がテレビ番組で、「イニシャル」発言を漏らした。こうして数少ない小泉公約の目玉の一つ「道路公団民営化」に大逆風が吹き始めた。
17日の9時間に及ぶ聴聞の内容を固唾を飲んで見守っていた民主党が、イニシャル疑惑に何一つ踏み込まれなかった聴聞内容を見て動き始めた。18日、菅直人代表が大阪市内での街頭演説で、藤井総裁の解任問題で、「小泉首相に公開質問状を出す」と述べた。藤井氏が道路建設や国有地払い下げを巡る不正に関して、石原国交相に語ったとされる政治家の公表などを求めていく方針だという。
同じ18日、小泉首相は、埼玉県上尾市で開いた公明党の衆院選立候補予定者の会合であいさつした。「人生50年の時代から80年になった。還暦を迎えればあとは余生だったが、いまは60才でもピンピンだ。80歳以上になっても”まだまだ”といっている人がいる。ちょっと困っちゃうんだよな。」(19日の日経朝刊2面)
20日、民主党は藤井総裁が石原国交相に公共事業の不正疑惑への政治家の関与を語ったとされる問題について、事実解明を求める公開質問状を首相官邸に提出した。国交相には省内調査チームの設置と、藤井氏が言及したとされる政治家のイニシャルの公開を申し入れた。
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21日の日経夕刊2面より。
石原国交相は21日の閣議後の記者会見で、藤井総裁が複数の政治家のイニシャルを挙げて公共工事に絡む疑惑を示唆したとされる問題について、「イニシャルが誰を指すのか特定できないので、調査の必要はない」と述べ、疑惑の解明に消極的な姿勢を示した。
石原国交相はテレビ番組で、5日の会談の際に藤井総裁が政治家による圧力をほのめかしたと発言していた。この日の会見では、「(国交相自身が)イニシャルを挙げられた政治家が誰を指すのかと推測したのは事実だ」としながらも、「問題となる疑惑は特定できない」と述べた。そのうえで「疑惑があるのなら藤井総裁がはっきりとさせるべきだ」と主張。国交省として独自に調査する考えがないことを強調した。
24日午前の閣議後の記者会見で、藤井総裁側が求めていた疑惑公表についての国家公務員法上の守秘義務の免責に関して、「(法律上の)免責の対象にはならない」と述べ、対応する考えのないことを示唆した。この日の昼、石原国交相は、藤井総裁に解任辞令を交付した。
25日の日経朝刊2面より。
小泉首相は24日のフジテレビ番組などの録画撮りで、藤井前総裁の国会証人喚問を野党が求めていることに関し、「選挙が終われば国会がある。選挙期間にやるのは無理だと思う」と述べ、衆院選後には柔軟に対応する意向を示した。藤井氏が国家公務員法上の守秘義務の免責を求めていることについては、「言いたい人が言えばいい。全然、止めようとは思っていない」と述べた。
守秘義務を免責されないで藤井氏が喋れば、即、国家公務員法違反の容疑で逮捕されてしまうであろう。いくらなんでも悪乗りし過ぎでっせ、小泉純一郎。
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小泉首相は23日午前、中曽根、宮沢両元首相と都内の個人事務所で個別に会談した。首相は両氏との会談で、「お二人は議員の肩書がなくても国内外で発言が注目され、影響を与える。今後もそういう形でご活動願いたい」と出馬辞退を要請した。
これに対し宮沢氏は、「わざわざおいで下さり、ありがたい。総理、総裁に恥をかかせるわけにはいかない。立候補を辞退し、党の若返りに貢献したい」と語った。
一方、中曽根氏は、「断じて了承できない。政治家としての使命感がある。憲法改正や教育基本法改正がようやく政治日程に上り、日の目を見ようとしている重要な段階だ。政治家としての最後の仕事だ。絶対政治家を辞めることはできない。政治家の信念を守るのが総理、総裁の仕事だ。そういう面からも考え直してほしい。約束を守ってほしい。あれは党の公約だ。小泉首相はインドネシアでもタイでも、本人の判断に従うと言ったはずだ」と語った。
さらに会談後の記者会見で中曽根氏は、「いきなり爆弾を投げつけるようなやり方は、首相がとるべきではない。一種の政治テロだ。首相は、”本人の判断に従う”と言い続け、私は信用してきた。今日突然やって来て、党総裁や首相をやった人間に対してそんなことを言うのはこんな非礼なことはない」と怒りの色を隠さなかった。
まさに両元首相の対応は、好対照を描いた。
宮沢氏は、小泉首相に対して、「総理、総裁に恥をかかせるわけにいかない」と、立候補を辞退し引退を表明した。他方、中曽根氏は、引退を拒絶することで、総理、総裁である小泉氏に”宮沢氏が言うところの”恥をかかせ、しかも小泉氏に対して、「総裁や首相をやった人間に対して非礼である」と激怒してみせた。
まったくの好対照である。どっちがどっちに恥をかかせたのか?誰が誰に非礼なのか?
宮沢さんという政治家の政治信条や人間性には好感を抱いているが、どうも最後の最後まで”お公家さん”のような政治家であったなあ、という印象を私は拭い切れない。
一方の中曽根さんの政治家としてのスケールの大きさは、群を抜いていると感じている。巷間囁かれているそのタカ派的政治信条も、中身は意外と柔軟なようにも感じられる。だからこそ、これから我が国の政治日程に上ってこざるを得ない「憲法改正」「教育基本法改正」論議の中に、是非とも中曽根さんに居てほしかったというのが私の偽らざる心情である。
小泉純一郎をはじめとする安倍晋三、福田康夫といった日本版ネオコン連中の「憲法改正」論議には、とても危うさを感じる。それはただ一点、国民の基本的人権尊重の理念に関してである。小泉首相のやってきたことを見れば、彼が国民の基本的人権を尊重する人間ではないことは、すでに証明されている。その点、同じタカ派といえども、中曽根さんには国民の「基本的人権」尊重の筋が一本通っているように感じている。
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26日の日経朝刊1面の報道によれば、中曽根元首相が25日、無所属による小選挙区からの出馬を断念する意向を固め、所属する亀井派幹部に伝えたとのことである。もしこれが事実なら、中曽根氏の引退は不可避となる。小泉首相は、遂にぼろ雑巾のように自民党内において首相のアドバイザリーボードの役割を果たしてきた中曽根、宮沢両元首相の首切りに、「予定通り」成功したわけである。
自民党内の残る首相経験者は、「甘ちゃん」橋本龍太郎と、「神の国」森善郎と、「害のない人」河野洋平だけとなってしまった。早い話が、名前だけですでに小泉首相や飯島勲首相秘書官に舐められてしまうような人物ばかりとなってしまった。
いったいいま、今後の小泉長期独裁政権の横暴に歯止めを掛けられる人物が、自民党内に何人いるというのであろうか?中曽根、宮沢両元首相はそのキャリアからいって、小泉独裁首相に歯止めを掛ける役割を果たせる最適の人物であった。
その重しを外すことが、73歳定年制を口実に両元首相の比例代表名簿はずしを画策した小泉首相の、主要な狙いの一つであったろう。そのことに踏み込んだMEDIA,識者の見解を、今回の中曽根、宮沢73歳定年制問題において、私は未だお目にかかっていない。
藤井前総裁による国家公務員法上の守秘義務免責解除の申し入れを却下する決定もなされ、
小泉長期独裁政権への地ならしは、「予定通り」進行しているようだ。
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28日の選挙公示を直前に、明日27日は、自民党の比例代表名簿が最終決定する日である。
もちろん、そこに中曽根、宮沢両元首相の名前はない。しかし、ひょっとしたら、そこにある聞き慣れた人物の名前があるやもしれない。10月23日のアサヒ・コムが次の記事を流した。
自民党の山崎拓副総裁が、28日公示の衆院選で、小選挙区とともに比例代表九州ブロックからも重複立候補する意向であることがわかった。重複立候補は前回に続き2回目。福岡2区から立候補予定の山崎氏は、週刊誌による女性問題報道の影響で民主党新顔との激戦が予想され、比例区への対応が注目されていた。
山崎氏は朝日新聞の取材に、「比例区への対応は各ブロックで決める。九州は小選挙区の候補者は全員重複でいく。一人だけ恰好つけてもしかたがない」と語った。
今回の衆院選で山崎氏は、週刊誌報道の影響という不安要素を抱える。民主党は自由党出身の新顔を擁立。「最重点選挙区」とする方針でおり、全国屈指の激戦区となることが予想されている。
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笑っちまうデ!ワッハッハッハ
東京地裁の裁判官から、「政治家としての適格性」を疑問視された判決を受けた山崎拓氏が、自民党NO.2の副総裁でいることすら問題であるのに、政党を選択する比例代表の自民党候補として堂々と名乗りを上げるとは。”恥知らず”もここに極まれリ!
73歳定年制という党内のお題目で、中曽根、宮沢両元首相をぼろ雑巾の如く使い捨てた小泉自民党が、司法の判決を無視して「政治家としての適格性」を疑問視された政治家を、堂々と党を代表する比例代表の候補にするとは・・・!
Shame on you!恥を知れ、小泉自民党!
(2003/10/26)
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