目覚し時計のTAKA



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Today's 目覚まし Shot


2003/10/13】 

変節の徒






「小泉改革宣言」
ー自民党政権公約2003ー(抜粋)

 【7つの宣言
(1)「日本の未来を守ります」=04年に年金制度を改革
(2)「日本の安全を守ります」=5年間で不法滞在外国人を半減
(3)「行政のムダをはぶき、簡素で効率的な政府を目指します」=05年に道路公団を民営化。07年に郵政公社を民営化
(4)「思い切って経済を活性化させます」=06年度に国内総生産(GDP)の名目2%成長を実現
(5)「国の基本を見直します」=05年に自民党の「憲法改正草案」をまとめる
(6)「国益に沿った外交を展開します」
(7)「自民党が日本を変えます」

 【10項目
 1 官から民へ
郵政事業を07年4月から民営化するとの政府の基本方針を踏まえ、日本郵政公社の経営改革の状況を見つつ、国民的論議を行い、04年秋ごろまでに結論を得る
▽道路関係4公団民営化推進委員会の意見を基本的に尊重し、05年度からの4公団民営化法案を04年の通常国会に提出
▽10年代初頭にプライマリーバランスの黒字化を実現。
 2 デフレに勝ち抜く日本へ
 3 行政の役割を変える
 4 安心できる社会保障制度を
 5 安全な国の復活
 6 国から地方へ
 7 信頼される国際国家の一員に
 8 人間力を高める教育改革
 9 新しい憲法草案をつくる
 10 自民党が日本を変える

9月22日の第二次小泉内閣発足を受けた第157臨時国会が26日召集され、小泉純一郎首相が午後の衆参両院本会議で所信表明演説を行った。
今国会は、与野党間の「あうんの呼吸」で10月10日衆院解散、11月9日総選挙の日程が組み込まれた、綿貫民輔衆院議長いみじくも命名の「談合解散」国会であった。
にもかかわらず、29日から2日間の日程で行なわれた小泉首相の所信表明演説に対する各党代表質問は、抵抗勢力の橋本派青木参院自民党幹事長の「協力」を得た自民党総裁選と、竹中経済財政・金融担当相川口外務相を留任させ青木氏と森喜郎前首相の「期待」を見事に裏切った内閣改造人事の直後であっただけに、国民の関心を集めた。
特に10月5日に自由党と合併して国民待望の二大政党制への夢をつなぐ民主党菅直人代表と小泉首相の一騎打ちに、テレビ中継を見守る国民の焦点が集まった。


29日の衆院本会議で、民主党菅代表が各党代表質問の一番手に立った。
いきなり結論めいたことを言って申し訳ないが、このテレビ中継をご覧になった多数の人々が感じたことであったと思うが、このときの小泉首相の答弁ぶりは酷かった。
とりあえずヤフー政治掲示板から投稿を引用させていただこう。
お笑い小泉純一郎
2003/ 9/29 21:19 メッセージ: 15065
投稿者: booooonbbb

国会答弁を直接テレビで見たが、首相の答弁は全くひどい。

菅代表が事務次官会議の話、政策秘書の5人中4人が省庁のスパイという話、川辺川の話、一括交付金の話、郵貯簡保のお金を中小企業融資に使う話、高速道路無料化の財源の話などをメモなしで話したあと、「首相の考えは?」と聞くと・・・

小泉首相はいつものように、郵政民営化を絶叫していた。その絶叫の内容がひどいもので、「(郵貯・簡保に全く触れずに)民営化できれば官の改革ができる!!」「民営化できれば構造改革できる!!」と叫んでいた。(民営化できればどういうわけで「改革」できるのか何も言及なし。)
ところがそれ以外は、下を向いてメモの棒みをするだけ。よく聞くと、「事務次官会議は事務の案件を整理し…」とか「一括交付金化は如何なものか」と読んでいた。

しかも菅代表が再質問で、「郵貯・簡保をどうするのか」「道路公団民営化は永久有料化ということでいいのか」「イラクへ自衛隊は派遣するのか」「ブッシュに金を出すのか」と聞くと、小泉首相は、「私がそんな細かいこと専門家みたいに…(分かるわけ無いでしょ!!)」と危うく言いかけた後、「これから検討して答えを出す!」「これから検討すると私はちゃんと方針を示しているじゃないですか!!」と絶叫していた。
郵政も高速道路も「これから検討する」が公約なんですか、小泉首相?
麻生総務相は麻生総務相で、「郵政はまだ国民の議論が…」とスットぼけたことを言っていたし・・・この2年半あなたは遊んでいたのか、小泉首相?

もういいよこんな改革詐欺師は!!


私のホームページに何度か登場していただいた”booooonbbb”さんは真面目な民主党支持者であり、上記表現が小泉批判の色眼鏡を通して書かれたものという批判はあろうかと思うが、翌30日の日経新聞朝刊をよく読むと、どうも”booooonbbb”さんの書かれたことは「真実」に近かったのではないかと思えてくる。


3面より。
菅氏「小泉改革はほとんど日の目を見ていない。十年以上前から民営化を言ってきた首相が、いまだに郵貯、簡保がどうなるか示せなくて、何の民営化の公約か。
 首相「中身がないのはどっちか。反対ばかりしているのが民主党だ。自民党は国家公務員や地方公務員の役人集団の既得権を守る集団ではない。選挙で公務員集団の票もあてにしていない。」

質問一番手の菅氏は原稿やメモを一切持たずに登壇し、再質問を交えて徹底論戦を挑んだ。菅氏が論争の焦点に据えたのが、郵政民営化をはじめとする首相の構造改革路線の成否。菅氏は自民党総裁選での首相の再選に触れて、「郵政民営化に真正面から反対する青木幹雄参院幹事長を味方に引き入れての再選の流れをつくった。見事な政略だが、これで公約は実行できるのか」と皮肉混じりに批判した。さらに民営化が首相の郵政省時代(宮沢内閣)の持論だったことを取り上げて、首相の改革実行力に強い疑問を投げ掛けた。
首相はこれに色をなして反論。やおら答弁資料から顔を上げて民主党席をにらみつけ、指をさしながら「郵政民営化は官業の構造改革の本丸だ。自民党が変わったことをこれから見せる」などと声を張り上げた。民主党が自治労などの官公労系の労組を主要支持団体の一つにしていることにも間接的に触れて、「民主党には”官の構造改革”はできない」と決め付けた。

菅氏「首相は経済だけでなく、世の中の実情を知らない。リストラや中小企業の倒産は自殺者の増大を招き、深刻だ。」
首相「多くの国民の努力によってようやく改革の芽が出てきた今こそ、民間の活力と地方のやる気を引き出して改革を進めていきたい。」

菅氏は景気認識を巡って、まず祖父から三代続く政治家一家に生まれた首相の半生に矛先を向けて、「サラリーマンの経験があるのか。自分で事業を営んだことがあるのか」と挑発。その上で、「首相が”痛みに耐えて”という言葉を吐くときに、”本当にこの人は痛みが分かっているのか”と思うのは私だけではない」と述べ、改革一辺倒の経済運営を当てこすった。
首相は「民間主導」「規制改革」などの常套句を並べて、改革路線の堅持を強調。菅氏の批判も「サラリーマンや中小企業の経験はないが、国民の痛みには常に注意を払う」と受け流し、安全網の整備など雇用対策に注力する意向を示した。』


2面には、各党代表質問初日を終えた小泉首相菅代表が記者団に語った言葉が取り上げられていた。

小泉首相は、郵政民営化の部分以外では原稿を棒読みする場面が多かったがこの点を聞かれると、「答弁漏れがないように、見ないと大変でしょ」と受け流した。答弁の中身に関しても、「私の公約が一番具体的じゃないかな。期限も財源も盛り込んでいる。マニフェストと言っても、公約でしょ。公約と変わらない」と自信を見せた。

菅氏は、「首相と公開討論する気持ちで臨んだ。脱官僚政権のあり方を伝えることができた」と力説。首相が絶叫調で反論したことについては、「野党の党首に相応しい資質だ。私も野党の党首に相応しかったが、できるだけ与党の党首に相応しくなろうと努力している」と皮肉った。

以上が、29日の衆院本会議における菅代表による民主党代表質問の状況であった。
翌30日には参院本会議で、小泉首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が行われた。
さらにその翌10月1日、所を変え衆院予算委員会で、菅民主党代表が再び小泉首相に論戦を挑んだ。
2日の日経新聞朝刊3面には、次のように報道されていた。


菅氏「自民党はいつ公約を出すのか。言い逃れでは済まない。」
首相「総裁選での私の主張をことごとく党の公約にするつもりだ。」
菅氏は首相の政権運営や改革路線について、「官僚に甘い官僚主導政治そのもの」「痛みの分からない弱肉強食型の改革」と攻撃。財政再建を巡っても、「経済政策の失敗で税収が減り、財政は悪化しているのに、2010年代初頭にプライマリーバランス(財政の基礎的収支)を黒字化するとの目標だけは変えないと言う。こんな手品のようなことは誰にもできない。小泉公約には欺瞞性がある」と畳み掛けたが、首相は、「改革の断行で経済の実情も好転していく」「経済情勢は刻々変わる。株価一つ取っても、予想は困難」などと落ち着いた口調でかわした。官僚主義批判も、「極めて優秀な秘書官に囲まれ、恵まれている。政治が官僚を指導する手足となって能力を発揮し、忠実に仕事を手伝っている」と意に介さなかった。

首相が冷静な反論に努めたのは、29日の衆院代表質問に続いて、菅氏の挑発に乗って絶叫調の反撃に出た場合、衆院選を前に有権者から「冷静さを欠く」「感情に流されやすい」などの負のイメージを持たれることを懸念したとみられる。
ただ、その「沈着答弁」も菅氏以外にはやや乱れた。共産党志位和夫委員長がイラクの戦後統治を巡って「国連のアナン事務総長が米国を批判している」とただすと、首相は「アナン氏に直接聞かないと真意は分からない」と突き放し、社民党横光克彦氏には質問されていない郵政民営化について「一番しなければならない官の構造改革だ」と声を張り上げた。
できるだけ穏やかに実のある議論を心掛けた。誠意を持って対応した」。同日夜記者団に論戦の感想を聞かれた首相は淡々と振り返った。』

日経新聞が『小泉首相は持ち味の絶叫調答弁を封印し、抑制を利かせた冷静反論に終始した』と解説しているくらいだから、民主党菅代表に対する29日と1日に行なわれた小泉首相の答弁の落差は、かなり酷かったんであろう。もちろん実際にテレビ中継やニュースで映像をご覧になった方々が、一番よくおわかりになっていると思う。

小泉首相の支持者であり続けられるかどうかの分かれ目は、国会におけるこのような小泉首相の映像を見て、「小泉首相とはどういう人物なのか」と考えるか考えないかにあるのではなかろうか?さらに言えば、たとえ考えたとしても「そんなことは大したことない」で済ませられるか済ませられないかにあるのではなかろうか?

29日と1日の答弁で、小泉首相は明らかに姿勢を変更した。なぜ?何のために?いったいこの両日の落差は、どこから来たのか?・・・
「思考停止」に陥っていないフツウの大人である限り、小泉首相の両日の答弁の映像を見た人間は、強弱の差こそあれ必ずやなにがしかの「?」の印象を受けたに違いない。その「?」の中身について分析したいーーそれが本コメントのテーマである。


まず、29日の「絶叫調」小泉首相と、1日の「冷静反論」小泉首相のいずれが真実の「小泉純一郎」なのであろうか?
あまりにも落差のあり過ぎる二人の「小泉純一郎」ではあるが、上記設問の正解は、読者の皆さんにも同意いただけれると思うが、そのいずれもが「小泉純一郎」なのであろう。
一人の人間は、多くの顔を持っている。「絶叫調」も「冷静反論」も、いずれもが政治家「小泉純一郎」の顔と考えるべきであろう。
にもかかわらず、29日の小泉純一郎が「絶叫調」で、1日の小泉純一郎が「冷静反論」であったのは、なぜなんだろう?さらに、1日の菅民主党代表には「冷静反論」のみで、共産党志位委員長社民党横光議員に対しては「絶叫調」が現われたのはなぜなんだろう?

残念ながら、いま日本では、多くの人々が「思考停止」病に罹っている。現在でもそうだが、第二次大戦敗戦後、日本では学校教育の場においても国会論議等の場においても、第二次大戦敗戦ーー特にその「責任」問題に関する開かれた議論が「封印」されてきた。権力に媚びる体質のあるMASS MEDIAにおいても、同様である。
実は、既得権益層の鉄の壁に守られた為政者側にとっては、あらゆる意味で「責任」問題に「封印」することが、国民をコントロールする上で恰好のツールであった。これが根っことなって、数多くの「無責任」が蔓延してきたのが日本の社会の現状である。


物事には必ず「原因」と「結果」があり、発生の「理由」がある。しかし「思考停止」に罹った人間は、そのような論理的思考ができない(思考が停止しているのだから)のみならず、論理的思考を毛嫌いし反発したりする。
「小泉純一郎」という男は、日本人のこの「思考停止」の弱点を熟知し、そこにつけ入って飯島勲首相政務秘書官率いるところの「総合メディア戦略」を展開し、高支持率を獲得している人物である。

小泉首相の発言は、大体がそういった「思考停止」国民に向けて発せられているメッセージであるから、「思考停止」していない国民の目から見ればかなり穴が多い。
菅民主党代表が党首討論などでしばしば小泉首相を追い詰め、語るに足る「戦果」を挙げている理由はそこにある。

29日に菅代表に対する答弁で、小泉首相はなぜ「絶叫調」になったか?これは、1日の菅代表に対する答弁で折角「冷静反論」になったにもかかわらず、志位共産党委員長横光社民党議員に対する答弁で再び「絶叫調」が現われた理由を考えれば自ずと推量できる。
志位共産党委員長横光社民党議員に対する答弁で再び「絶叫調」が現われた理由は、彼らが「弱者」であるからだ。小泉純一郎は、大変な「権力志向」の人物である。彼が内閣総理大臣の地位に異常に拘泥する理由は、ただ単に彼が「権力好き」の人間であるからに過ぎない。

あまり取り上げられていない言葉だが、小泉首相は首相になった直後にこう発言している。「自民党にはあらゆる政策が出揃っている。内閣総理大臣は、それをどういう順番とタイミングで取り上げていくかを決めるだけだ。」MEDIAの皆さんは、いまでも小泉首相に聞いてみるがいい。同じ返答が返ってくることは、間違いない。
このような信念から、小泉首相の「丸投げ」政策や、「そんな細かいこと、私が知るわけないでしょ」発言が出てくる。問題は、「丸投げ」にあるのではない。「丸投げ」したことに対する「責任」を小泉首相が取っているか、という一点に尽きる。
私は歴代総理の中で、小泉首相ほど「無責任」であることに平然としている首相を、他に知らない。その「無責任」さは、「独裁者」のそれとほとんど変わるところがない程度である。


話を戻して、自民党総裁選で国会議員票、地方票ともに第一回投票で過半数を制し圧倒的勝利を収め、かつ党役員人事と内閣改造人事で「純ちゃんは人事の天才」と言われるほどの「サプライズ効果」をあげ、絶好調で臨んだ「談合解散」国会。
そこで過去に、「公約など大したことない」発言に追い込まれ苦杯を舐めた菅民主党代表との代表質問の場におけるテレビ中継も入った一騎打ち。二大政党制時代到来かとの呼び声が高い割には、世論調査の支持率が伸び悩む菅民主党ナニスルモノゾの思いの強かった小泉首相は、菅代表への返り討ちを狙って自信満々であった。一口に言えば、ナメテかかっていたわけである。29日の段階では、菅民主党は小泉首相にとっては「弱者」であったわけだ。

「弱者」をナメテかかる、これは小泉純一郎の本性の中核部分である。自民党総裁選を勝つためにはどうしても必要な「強者」である抵抗勢力の親玉、青木参院自民党幹事長には、「節操」もなく頭を下げて秋波を送る。それも青木氏が「強者」である間だけの話で、もし青木氏が「弱者」の立場になれば、小泉首相は平然とこれを切り捨てるであろう。
菅代表が代表質問で指摘した言葉「痛みの分からない弱肉強食型の改革」は、小泉純一郎の「本性」から出発した「小泉改革」なるものの主要な「本質」部分である。


29日の小泉首相の「絶叫調」が、自信満々の「傲慢さ」から菅民主党を「弱者」と見做しナメテかかったところから来たものであったとすれば、1日の「冷静反論」はどこから来たのであろうか?
日経新聞にも書かれた如く、なにしろ29日の小泉首相の答弁の態度は酷いものであった。そのあと小泉首相は、側近から強く指摘されたに違いない。そのような態度では、映像を見た国民の反感を買って総選挙に不利に働くと。

世論の支持の話となると態度がコロッと変わるのが、「三代政治家」の小泉純一郎の「遺伝子」というものだ。というわけで、1日の菅代表への答弁は、「冷静反論」となった。しかし菅代表が終わり相手が「弱者」も「弱者」の共産党社民党に変わると、タガが脱れたように「絶叫調」へ戻る。
田中真紀子さんへの陰口の一つに、真紀子さんには三種類の人間ーー「家族」と「使用人」と「敵」ーーしか存在しないというのがある。田中真紀子さんには当てはまらないとは思うが、これにピッタシの人物が「三代政治家」小泉純一郎である。

「三代政治家」の小泉純一郎には、まさに「離婚」の原因ともなったという「三代政治家」のファミリー(「家族」)がある。小泉純一郎にとってもっとも大事な存在である。そして「使用人」がいる。飯島勲秘書官に代表される「三代政治家」の小泉ファミリーを支える使用人軍団である。そして、「敵」がいる。小泉首相は、これを「抵抗勢力」と命名した。

「抵抗勢力」には二種類ある。本物の「敵」、本物の「抵抗勢力」と、小泉首相の「協力勢力」に変身した「抵抗勢力」である。この本物の「抵抗勢力」と変身した「協力勢力」には、それぞれ「強者」「弱者」がいる。「強者」の本物「抵抗勢力には徹底して戦いを挑み、権力を利用して「敵」の弱体化を進め、「強者」から「弱者」への蹴落としを図るのが小泉戦略である。
「強者」の変身「協力勢力」は利用できる限り利用し、常に「踏み絵」でその協力度合いを査定し、背信の「協力勢力」が出ないように統制する。やがて利用価値がなくなって「弱者」となった「協力勢力」は、容赦なく切り捨てる。いずれの場合も「弱者」は踏み潰して進むのが、小泉純一郎の「本性」でありその改革(?)戦略である。


1日の小泉首相の答弁が、「冷静反論」になったり「絶叫調」になったりした理由は、そういうことだ。しかし、ここで国民はよく考えないといけない。マスメディアが指摘しないから、常にここまでで話が終わってしまう。
小泉首相がなぜ1日に菅代表に対する答弁姿勢をコロッと変えることができたのか?なぜ小泉首相は、29日の段階から「冷静反論」姿勢が取れなかったのか?

29日も1日も、いずれもテレビが小泉首相と菅代表の対決の映像を中継した。
これに対し、小泉首相は29日は「絶叫調」答弁、1日は「冷静反論」というメッセージを国民に発信した。日経新聞もビックリのまったく異なった答弁姿勢を、わずか中1日を置いて国民に露出したのである。
我われ国民は、このようなことをする小泉首相の「本性」を、しっかり見定める必要がある。それが、「国民主権」の民主主義政治を維持しようとする国民の最低限の義務ではなかろうか?

29日には、自己の本性を抑制することのできない小泉首相の「傲慢」が垣間見えた。
1日には、国民の支持を得るためにはコロッと変身演技ができる小泉首相の「欺瞞」が垣間見えた。
国民の支持を得るためなら、「絶叫調」答弁を封じ込めて「冷静反論」答弁演技もできる。そういう小泉首相なら、過去にも国民の支持を得るために、「本性」を隠して優等生答弁の演技をしていたことがなかろうか?
そう考えると、読者の皆さんも山ほど心当たりが出てくるのではなかろうか?


「自民党をぶっ壊す!」こう叫んでいた男が、いま何と言っているか・・・
10月9日、小泉VS菅の第3ラウンド「党首討論」が国会で行われた。

菅氏「民主党と同様、すべての自民党公認候補にマニフェストへの同意の手続きをとるのか。」
首相自民党のことはご心配なく。党内に議論や反論はあっても、最終的には私の方針に協力してくれる。それが大人の政党、自民党だ。

ここで私は、読者の皆さんにお伺いしたい。「あなたは、自民党はぶっ壊れたと思いますか?」
もし小泉首相が絶叫し国民が喝采したような意味で、「自民党はすでにぶっ壊れた」と感じておられる読者がおられるなら、その方はおそらく国民のうちの極くごく少数派であろう。
私は如何なる意味においても、断言できる。大人の政党、自民党は、これっぱかしも壊れていないと。

となると小泉首相がこれまで絶叫してきた「私が自民党をぶっ壊します!」との言葉は、何だったんだろうか?結局は、支持率欲しさ故の国民への「絶叫」演出だったのではなかろうか?
このような実例は、ゴマンとある。小泉首相の周囲は、これだらけだと言っても過言ではないくらいだ。

「郵政民営化」を取り上げよう。
29日の代表質問で、「郵政民営化」に対する小泉首相の改革実行力に強い疑問を投げ掛けた菅代表の言葉に色をなした小泉首相が、『やおら答弁資料から顔を上げて民主党席をにらみつけ、指をさしながら「郵政民営化は官業の構造改革の本丸だ。自民党が変わったことをこれから見せる」などと声を張り上げた』場面があった。
では、文頭に掲載した自民党政権公約である「小泉改革宣言」の中で、「郵政民営化」はどのように取り上げられているのか。

 【7つの宣言
(3)「行政のムダをはぶき、簡素で効率的な政府を目指します」07年に郵政公社を民営化
 【10項目
 1 官から民へ
郵政事業を07年4月から民営化するとの政府の基本方針を踏まえ、日本郵政公社の経営改革の状況を見つつ、国民的論議を行い、04年秋ごろまでに結論を得る

これがすべてである。「2007年郵政公社民営化」の基本方針はわかった。ではその民営化の中身は何なんだ?というのが大多数の国民の疑念である。
その中身については、@日本郵政公社の経営改革の状況を見つつ、A国民的論議を行い、B2004年秋ごろまでに結論を得る・・・ということらしい。
要するに、現状では中身は何も決まっていないということだ。

何も中身のない、これから1年後にしか結論が出てこない「郵政民営化」を取り上げて、「郵政民営化は官業の構造改革の本丸だ。自民党が変わったことをこれから見せる」と絶叫するーーこの神経とは何なんだろう?その答えは、私にはこう思える。それは「絶叫」のための「絶叫」ではないのか?単に国民の支持を得るための「絶叫」演技ではないのか?


小泉首相は上述の「絶叫」場面において、こう啖呵を切っていた。「民主党には”官の構造改革”はできない」と。なぜなら、民主党が自治労などの官公労系の労組を主要支持団体の一つにしているからだという。
これに関し、菅代表との間で次のやり取りがあった。

菅氏「小泉改革はほとんど日の目を見ていない。十年以上前から民営化を言ってきた首相が、いまだに郵貯簡保がどうなるか示せなくて、何の民営化の公約か。
首相「中身がないのはどっちか。反対ばかりしているのが民主党だ。自民党は国家公務員地方公務員の役人集団の既得権を守る集団ではない。選挙で公務員集団の票もあてにしていない。


これに関しては、10月1日の代表質問に関する記事の中に、『菅氏は首相の政権運営や改革路線について、「官僚に甘い官僚主導政治そのもの」「痛みの分からない弱肉強食型の改革」と攻撃。・・・(首相は)官僚主義批判も、「極めて優秀な秘書官に囲まれ、恵まれている。政治が官僚を指導する手足となって能力を発揮し、忠実に仕事を手伝っている」と意に介さなかった』との記述があった。

実に面白い。小泉首相は、国家公務員地方公務員などの公務員集団を民主党を支持し、郵政民営化を妨げる「抵抗勢力」と見做す発言をする一方で、官僚に対しては、「極めて優秀な秘書官に囲まれ、恵まれている。政治が官僚を指導する手足となって能力を発揮し、忠実に仕事を手伝っている」と、最大限に持ち上げている。これは、何を意味するのか?

これこそ菅代表の言う、小泉首相は「官僚に甘い官僚主導政治そのもの」との指摘が図星であること証左ではなかろうか?
「官僚」と「公務員」の行政におけるヒエラルキーを考えれば、「官僚」「強者」で、「公務員」「弱者」であることは明白である。
ここにおいても、小泉首相の「強者」好きが証明されていると考える。小泉純一郎という男は、「弱者」は踏み潰して行くものーーと考えている節がある。たとえそれが、身内の「公務員」であってもだ。内閣総理大臣は日本の行政の長であり、「公務員」はその下部組織に働く人々であるにもかかわらず、だ。
げに恐ろしきかな、小泉純一郎の「本性」


本日13日の日経朝刊1面トップに、次の報道が流された。
財務省が検討している新たな国債管理政策の原案が明らかになった。国債の安定消化のために、郵便貯金簡易保険の資金で、市場を通さずに政府から直接国債を引き受ける仕組みを作る。発行残高の2割強の約130兆円の国債を持つ日本郵政公社に、民営化後も国債を買ってもらうのが狙い。資金の自主運用を進める郵政公社の反発は必至で、調整は難航しそうだ。

上記引用文の中に、「郵政民営化」に関する大変重要な問題点が隠されている。
一つは、「郵政民営化」を語るためには、現在700兆円に達しようかという国債発行残高の始末をどうつけるかの青写真が必要であるーーということだ。日本郵政公社が国債直接引き受けを断ったら、財務省はどうする積もりなんだ?他の方法を探すってか?他に手段があるなら、小泉首相が「郵政民営化」とそこら中で絶叫しているさ中に、郵政公社が民営化され株主が存在する株式会社となったらできるはずもない「国債直接引き受け」というバカな話を持ち出してくるんじゃないよ!

二つめは、郵政公社にはもちろんのことながら株式会社となったその民営化後にまで、財務省は、「官(=お上)」の御威光を押し付けようと狙っているーーということだ。小泉首相の絶叫する「郵政民営化」とは、結局なんのことはない、単に「公社」から「株式会社」への看板の付け替えだけではないのか、ということだ。

三つめは、約130兆円の国債を保有する郵政公社は、長期金利が上昇し国債が暴落する事態が起これば、莫大な含み損を抱えて身動き取れなくなるーーということだ。これは単に郵政公社だけの問題ではない。その郵政公社の「民営化」を絶叫している小泉首相の問題だということだ。この問題の解決策を提示しない「郵政民営化」は、単なる「絵に書いた餅」に過ぎない。
国債が暴落することはあり得ないって?なぜだよ?だって郵政公社に直接引き受けさせるから・・・アレッ?その郵政公社が引き受けないとなると・・・やっぱ、あそこしかないな。日銀さんに直接引き受けてもらうから、絶対に国債は暴落させません!
最後は日銀かい、オッサン?やれるもんならやってみろ!「日銀総裁、どの面下げてG7」ってコメント書いてやるから。


菅民主党代表の代表質問に対する29日と1日の小泉首相の答弁姿勢は、「絶叫調」から「冷静反論」へコロッと変わってしまった。
私が自民党をぶっ壊します!」という小泉首相のキャッチフレーズは、10月9日の党首討論で、「自民党のことはご心配なく。・・・それが大人の政党、自民党だ」にコロッと変わってしまった。
これを古来の日本語では、「変節」という。

「変節」:節義を変えること。また、従来の主張を変えること。
「節義」:節操を守り、正道をふみ行うこと。
「節操」:信念を固く守って変えないこと。操(みさお)。
                           (以上、広辞苑より)

菅直人民主党代表は29日の代表質問で、小泉公約には欺瞞性があると語った。私も同意見だ。
「欺瞞」:人目をあざむき、だますこと。 (広辞苑より)



11月9日は、衆院総選挙の投票日である。
国民の皆さん、小泉純一郎の「本性」小泉公約の「欺瞞性」について、今一度よく考えてから投票したいものである。
(2003/10/13)

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