the NIKKEI-watcher



コレダケハイワセテ!
Today's Shot



2002/08/03】
 
「単なる勉強不足か?根深い故意か?」

ー真紀子さん「公設秘書給与疑惑」にみるメディアの偏向報道ー




あまり一括りでものを言うのもどうかと思うが、その方が物事の特徴をより浮かび上がらせることができる場合もある。
新聞メディアに関して言えば、産経新聞は右翼ご用達、読売新聞は体制ご用達、日経新聞はビジネス業界ご用達、といった類の言い方だ。
朝日新聞は、体制批判的新聞との定見があるようだが、意外に体制におもねる部分もあり、スタンスの定まらないブレの激しい新聞と言える。
ところで、毎日新聞はどうであろうか?実は先ごろ、同社の役員待遇編集委員の肩書を持つ岸井成格氏が筑紫哲也NEWS23に連続して出演し、田中真紀子さんの公設秘書給与疑惑に絡んで、大衆を煽動するが如き誤った発言を繰り返すのを聞いて、正直、アゼンとさせられてしまった。
同じ慶応大学出身ということでもあろうか、以前から同氏の発言は小泉首相擁護の響きが鼻についていたが、今回の田中真紀子さんを非難する発言は、それら一連の真紀子さん潰しのメディア報道が、一方で小泉首相の支持率を高めている側面を考慮するとき、容易に看過するわけにはいかない重大な要素を含んでいる点を強調しておきたい。


7月29日の毎日INTERACTIVE”岸井成格の動画コラム「一答両断」”に、同氏の発言の骨子が明確に述べられている。
『特に決定的だったのは、民主党議員が突きつけた、私設秘書に関する資料だ。
これが事実だとすれば、事務所が計画的に公設秘書給与を分配していたということになる。
流用、名義貸し、肩代わりと次々に明らかになる疑惑。
その全容解明に向け、今後、国会はどう動くのか。追い詰められた田中前外相の命運は?』


7月24日に行われた衆院政倫審の後も、長岡に乗り込んで3時間で入手したという「資料」を得意気に振りかざしながら、「検察が乗り出すべきだ」とテレビ局をハシゴして自民党顔負けの真紀子さん潰しに励んでいた民主党の元大蔵官僚・永田寿康衆院議員も同様であるが、毎日新聞の岸井氏ともども、「疑惑」「疑惑」と大騒ぎする割には、公設秘書給与の法的意義、仕組み等に関する基礎的知識に欠けているような気がしてならない。
彼らの頭には、同じ公設秘書給与疑惑で議員を自発的に辞職した社民党の辻元清美元議員のケースが、トラウマの如くインプットされているようである。単に彼らが勉強不足なのか、はたまたすべてを了解しつつ真紀子さんを追い落とす最終目的のために故意に演技をしているのか、私にはわからない。
ただ私に言えることはただひとつ、彼らは間違っているということだ。


彼らは、何を間違っているのだろう?
彼らが決定的に間違っている点、それは辻元元議員の公設秘書給与疑惑と、田中真紀子さんの公設秘書給与疑惑を同一視していると思われる点である。


辻元ケースでは、辻本さんが衆議院に公設秘書として辺見真佐子氏を登録した時点で、辺見氏は同じ社民党の照屋寛徳参院議員の私設秘書をしていた。すなわち辻元さんは、辺見氏が照屋議員の私設秘書を本業としていることを知りながら、自分の公設秘書として登録したのである。
この点真紀子さんのケースでは、まったく違う。真紀子さんの公設秘書は、越後交通の出向という身分である。出向という形式は一般会社ではよくある勤務形態で、出向元から出向先の会社へ契約に基づいて派遣され、以降は出向先の会社のために仕事をする。従って、真紀子さんの公設秘書となった後は、真紀子さんの公設秘書としての業務のみに従事するのであり、辻元さんの辺見氏のように他の誰かのために働くことは一切しないことは明白である。
一例を挙げれば、小泉首相の政策秘書を勤める実姉・小泉信子氏は、小泉首相が政策秘書として衆議院に登録した時点で、小泉首相の後援者である川崎タクシー(株)の常勤役員を勤めていた。

ちなみに4月8日の自民党役員会で決定され、山崎拓幹事長名で党所属の全国会議員に配られた”公設秘書給与の運用指針”には、「近親者の秘書登録は避けるのが望ましいが、やむを得ず登録する場合は、勤務実態に疑義が出ないようにする」との項目が含まれている。しかしどういうわけか、原案にあった「秘書以外の職務が本来業務となっている者を公設秘書に登録することは避ける」との項目が見送られてしまった。
読者の皆さん、こんなバカなことってありますか?国民の税金を原資として、議員秘書の在職期間や年令に応じて法律で定められた一人前の金額が秘書給与として国から支払われる公設秘書が、秘書以外の職務を本来業務としているとは。
自民党の”公設秘書給与の運用指針”なんて、所詮そんなもんなんですよ。
自民党の栗原博久衆院議員は、週のうち5日間は本業の医者をやっている長男を政策秘書にしている。この政策秘書は、受け取った年間約600万円の公設秘書給与から、年間150万円を栗原議員の政治資金管理団体に寄付をしていたという。さらに次男も公設第二秘書を勤めているという。
<自民党>公設秘書給与の運用指針
(1)秘書給与は全額秘書本人の口座に振り込まれ、管理も本人が行う。
(2)秘書としての勤務実態を備えている。
(3)近親者の秘書登録は避けるのが望ましいが、やむを得ず登録する場合は、勤務実態に疑義が生じないようにする。
(4)給与の一部を、議員・政治団体に寄付するのを避ける。
(5)議員は、秘書の政治倫理を逸脱した行為の責任を負うことを自覚し、監督を厳格にする。

真紀子さんの公設秘書のケースは、小泉首相や栗原議員のケースとは違い、一点の曇りもない公設秘書登録である。
念には念を入れ説明すると、辻元ケースでは、辻元さんは他の議員の私設秘書であることを知りながら、辺見氏を自分の政策秘書として衆議院に登録したという点が、後に詐欺罪の立証において大変重要な意味を持ってくることに留意しておきたい。


第二点として辻元ケースでは、照屋元議員の私設秘書が本業である辺見政策秘書が、どのようにして辻元さんに公設政策秘書としての役務を提供したかについて、「電話によって提供してもらっていた」と辻元さんは国会等で何度も証言した。というのは、日中、原則として照屋議員のために彼の事務所で仕事をしていた辺見氏に役務を提供してもらう手段は、電話くらいしかなかったからである。
ではそのような電話による政策秘書としての役務の提供が、国民の税金で支払われる公設秘書給与の勤務実態として適切であったかどうか、という判断となる。常識的には、年間400〜800万円(金額は定かでない)程度支払われるという政策秘書給与に相当する役務は、電話のみでは提供不可能であろう。
現実に、辺見氏が受け取った金額は月額5万円のみであった。勤務実態もそれに見合うものであったと考えるのが、世の常識であろう。とすると、勤務実態がほとんどない辻元さんの公設政策秘書氏に、国から丸々の公設秘書給与が支払われたことになる。そして政策秘書に支払われた残金は、辻元元議員の事務所によって私設秘書の給与の一部として分配された。
私設秘書給与は、当然、議員自身の政治資金から支払われるべきものである。ということは、勤務実態のない公設政策秘書に国から支払われた公設秘書給与の大部分を、辻元さんは自分の政治資金として私設秘書の給与の支払いに流用したということになる。
さらに言えば辻元さんは、国から支払われる公設秘書給与の大部分を自分の政治資金として流用するために、故意に公設政策秘書・辺見氏をを衆議院に登録し、このようなスキームを仕組んだのではないかと疑われる。この疑惑に対し、はじめに述べたように辻元さんが、辺見氏が他の議員の私設秘書を本業にしていることを知っていたという事実は、大きな意味を持ってくることになる。
辻元さんが辺見氏が役務を提供できないのを承知で、しかもそのわずかの役務に見合う月額5万円しか支払わない条件の下に、辺見氏を公設政策秘書として衆議院に登録したのであれば、当初から公設秘書給与との差額分を自らの政治資金として流用する意図があったと解釈されてもまったく不思議ではない。
辻元ケースは、後は検察が全体のスキームを、辻本さんが故意に仕組んだと判断するかどうかに掛かっている。故意に仕組んだと見なされれば、辻元さんは「詐欺罪」で起訴されることになろう。


では真紀子さんのケースと、どこがどう違うのであろうか?
決定的に違う点は、真紀子さんの公設秘書は、国から支払われる公設秘書給与と同額かもしくはそれ以上を受け取っていたという点である。辻本さんの公設秘書は、月額5万円しか受け取っていなかった。真紀子さんの公設秘書は、はじめに申し上げたように、勤務実態が100%あるのと同時に、その見合いである公設秘書給与を満額受け取っていたのである。
公設秘書が、公設秘書給与を満額受け取っていた事実は、本人たちが真紀子さんに提出した念書によっても証明される。
公設秘書が、自らの勤務の対価としての公設秘書給与を満額受け取っていると念書まで入れているのであるから、第三者が「オマエ、本当はもらってないだろう?」と横槍を入れる必然性はまったくないはずである。


真紀子さんの公設秘書は、国から支払われた公設秘書給与の袋を、封を切らずに自らの手で越後交通の担当者(経理部長もしくはその代理人)の元に運び、直接手渡した。
真紀子さんの弁護士は、公設秘書給与は「公設秘書が国から受け取った段階で、その公設秘書の所得となる」と”補足説明書”で主張している。公設秘書氏が自らの手で公設秘書給与の袋を越後交通の担当者に手渡した行為は、公設秘書給与が公設秘書の所得となっている事実を補強する材料でもある、と私は考えている。
公設秘書給与の中から、秘書手当と住民税充当金を現金で受け取った残額である越後交通よりの給与相当分は、公設秘書が越後交通より出向する際の約定(口頭もしくは慣例)にて、別途越後交通より直接公設秘書の給料口座に振り込まれる約束になっており、公設秘書給与の袋を越後交通の担当者に手渡すことによって、公設秘書は「出向社員として、会社の担当者に秘書給与を預けて(給料振込の)事務を委ねた」とする真紀子さんの弁護士の見解に、私も100%同調する。


越後交通の担当者(経理部長もしくはその代理人)の手に渡った公設秘書給与の残金は、「留保金」または「プール金」として、越後交通の本業を表わす会計勘定とは別の勘定で管理された。しかしこの別勘定で管理されているカネは、既に国のカネではない。国から支払われて公設秘書が受け取った、公設秘書氏のカネである。より厳密に言えば、公設秘書によって、越後交通から振り込まれる公設秘書氏の給料分に充当すべく預けられたカネであるから、公設秘書が越後交通より給料を受け取った段階で、そのカネは公設秘書のカネでもなくなると言えるかもしれない。そのような曖昧な性格のカネであるから、「留保金」と名づけられたわけである。


民主党の永田議員が得意気に振りかざした「資料」は、この「留保金(プール金)」の一部が真紀子さんの私設秘書の給与の一部に分配されていた、というものである。
その「資料」が事実とすれば、確かに「留保金」の一部の分配があったのであろう。しかし、どう考えてもそれは「留保金」というコップの中の小さな嵐に過ぎなかろう。それ以上でもなければ、それ以下でもあり得ない。
辻元ケースと比較するとき、私の言っている意味がよくお分かりになると思う。


辻元ケースでは、国から支払われた公設秘書給与の一部が、同議員の私設秘書給与の一部として分配された。
真紀子さんのケースでも、(永田議員の振りかざした資料が事実とすれば)国から支払われた公設秘書給与の一部が、真紀子さんの私設秘書給与の一部に分配充当された。
両者はあたかも同一ケースのように見える。
しかし読者の皆さん、ここで次の考え方をしてみて下さい。それによって直ぐに両者の明確な違いにお気づきになると思う。


私設秘書給与として分配される直前の段階、すなわち国から支払われた公設秘書給与が、公設秘書の手元を離れてはいるが、私設秘書の給与の一部に分配される前の段階を頭に思い描いていただきたい。
辻元ケースにおいては、そのカネは辻元元議員の事務所によって管理されていた。
真紀子さんのケースでは、越後交通の担当者により「留保金」という別勘定にて管理されていた。
似ているでしょうか?

辻元ケースでは、そのカネが私設秘書給与の一部として分配される以前においても、そのカネは既に辻元元議員によって国から詐取された性格のカネであったと言える可能性がある。(判断するのは検察である)
一方、真紀子さんのケースにおいては、私設秘書給与の一部として分配される以前のカネは、あくまでも公設秘書が越後交通の担当者に事務処理を委ねた「留保金」であり、決して辻元ケースのように、真紀子さんが国から詐取したカネではないのである。
念には念を入れて説明を繰り返すと、私設秘書に分配される前の段階において、辻元ケースでは、そのカネは既に国から詐取された疑いの濃いカネであった。一方、真紀子さんのケースでは、そのカネは決して国から詐取されたカネではなく、公設秘書により事務処理を委ねられた「留保金」であった。


民主党の永田議員も、毎日新聞の岸井役員待遇編集委員も、「私設秘書に分配されていた」ことのみを捉えて、「疑惑はますます深まった」などと大騒ぎである。
辻元ケースのように、既に詐取されていたと見なされ得るカネを私設秘書給与の一部に分配したことと、真紀子さんのケースのように、単なる「留保金」の一部を私設秘書給与の一部に分配充当したことが、なぜ同一と見なされてしまうのであろうか?
辻元ケースでは、既述の通り、国から支払われた公設秘書給与額と辺見氏に支払われた月額5万円の差額が辻元さんの議員事務所に残された段階で、既にそのカネは辻元元議員によって私設秘書給与に充当するべく当初より故意に仕組まれ詐取されたと見なし得る(再度言うが、故意かどうか詐取かどうかは、検察が判断する)カネであった。
真紀子さんのケースでは、小泉首相や栗原議員のケースと違い公設秘書には100%の勤務実体があり、形式的にも公設秘書は自ら公設秘書給与の袋を受け取り、実態的にはそれと同額もしくはそれ以上の金額を受領しており、出向社員である自分の立場を認識している公設秘書が、公設秘書給与と越後交通からの給与を調整する事務処理を委ねるために自らの手で直接越後交通の担当者に手渡したカネが所謂「留保金」であり、「留保金」は決して故意に仕組まれて国から詐取されたカネではない点を、真紀子さんのケースと辻元さんのケースの大きな相違点として強調したい。


民主党の永田議員や毎日新聞の岸井編集委員は、結果として私設秘書に分配されたのであれば、それは流用ではないかと主張するかもしれない。確かにそれは一時的な流用であったかもしれない。政治資金規正法もしくは所得税法に触れる部分があったかもしれない。
真紀子さんも、越後交通への返金が真紀子さんの後援会から送金されたり、自分の名前で送金したことがあったと衆院政倫審の場で語っていた。しかし同時に越後交通の公認会計士は、越後交通は真紀子さんの公設秘書に対する給与支払い分をすべて入金済であると語っている。
私は先に、公設秘書氏が越後交通より給与を入金した後は、「留保金」の所有者は曖昧だと述べた。法的にはその権利者は、公設秘書からその公設秘書に給与を支払った越後交通となるのではないかと考える。
その「留保金」は、年一回越後交通との間で清算されていたという。その間、その「留保金」の一部が、私設秘書給与の一部に充当されるなど一時的に流用されていたとして、最終的に越後交通の勘定に返金されていたのであれば、それは大きな問題と成り得ようか?私はコップの中の嵐の例えを使った。政治資金規正法違反や所得税法違反があったかもしれないとも言った。しかしその金額はどれほどになるというのであろうか?世間がこれほどまで真紀子さんの「公設秘書疑惑」を取り上げて大騒ぎしているのは、そんなことのためであったのだろうか?


私は民主党の永田議員、毎日新聞の岸井役員待遇編集委員にお聞きしたい。
あなた方は、口を極めて真紀子さんの「公設秘書疑惑」を非難し、真紀子さんの疑惑があたかも既定の事実であるかのようなものの言い方をしている。永田議員に到っては、テレビという公共メディア上で、「検察は真紀子さんの疑惑解明に乗り出すべきだ」と大衆を煽動している。
あなた方は、疑惑が証明されてもいない人物に対して、公共メディアを利用して疑惑があたかも真実であるかの如き発言を繰り返している。
あなた方の「疑惑」とは、何ですか?その「疑惑」の根拠は、何ですか?
民主党の永田議員にお尋ねする。あなたが、テレビという公共メディアの上で一般大衆に向かって、”検察は真紀子さんの「疑惑」解明に乗り出すべきだ”とする根拠は、何ですか?何の「疑惑」ですか?
あなたは検察が単なる疑いだけで、一政治家の捜査に乗り出せると思っているのであろうか?国民から付託を受けた立法の代弁者である政治家が、単なる疑いだけで検察に国民にとっては同一の立場にある他の「政治家」の捜査に乗り出すよう公共メディア上で煽動するようでは、その政治家は国民の立法の代弁者たる資格がないと言えることも、そのようなことをテレビで公言するあなたにはわかりっこないであろう!
永田議員、あなたの真紀子さんの「疑惑」って、何ですか?
まさか「留保金」勘定の中で、一時的に資金の流用が行われ、政治資金規正法や所得税法違反に問われる多額とは言えない金額があったことではないであろうね?あなたが取り上げた「資料」は、確か平成8年のものではなかったですか?政治資金規正法は事後修正を認めているし、平成8年といえば、もう時効にかかっているのではなかろうか?


はっきり言おう。民主党の永田議員や毎日新聞の岸井編集委員の「疑惑」とは、辻元元議員が疑われている公設秘書給与詐取の「疑惑」ではなかろうか?永田議員が「検察は捜査に乗り出すべきだ」と発言したのは、真紀子さんの「詐欺罪」を立件するために「捜査に乗り出すべきだ」という意味だったのではなかろうか?
もしそうであれば、あまりにも本件に関して勉強不足である。法律や経理の基礎的知識なしに、ただただ大衆におもねる目的で「疑惑」と発言しているように感じられる。
それとも両者とも、私がこれまで述べてきたことは百も承知で、何らかの目的で故意にメディアを利用して大衆を煽動しているのであろうか?
いずれにせよ、民主党の永田議員は「政治家失格」であると思うし、毎日新聞の岸井役員待遇編集委員は「ジャーナリスト失格」であると私は思う。外相時代に機密費や鈴木ムネオ議員の圧力に汚染された外務省の体質を炙り出し、アフガン復興国際支援会議においては、NGO団体の参加を実現させたことで日本外交が国際社会で大恥かくのを一歩手前で食い止め、理由なき外相更迭により身をもって小泉首相のダブルスタンダードを国民に示した田中真紀子前外相を、故なくメディア上で公然と貶めるような発言を繰り返して真紀子さんのイメージをドブの中に突き落とした見返りが、永田議員の「政治家失格」と岸井編集委員の「ジャーナリスト失格」であっても、私は当然であると考えている。
読者の皆さんは、私がこれまで述べてきた論点と、永田議員や岸井編集委員の発言をを比較検討されて、どちらに正当性があるとお考えであろうか?


7月30日のアサヒ・コムのコラム「ポリティカにっぽん」で、朝日新聞社コラムニストの早野透氏が、真紀子さん「公設秘書疑惑」に関して、次のコメントを載せている。
『そもそも秘書が会社からの出向というのが、おかしい。そんなことをすれば、二重給与を清算しなければならなくなり、他人から見て訳の分からないことにもなる。』
『真紀子さんがテレビで印象的な言葉(サウンドバイト)を吐く感性はたぐい稀である。だが、もうテレビ女優を演ずるのはやめた方がいい。サウンドバイト政治、ワンフレーズ・ポリティクスはみんな食傷してきている。』


もしあなたが越後交通に勤めている社員で、ある日上司に呼ばれて、「東京へ行って、田中真紀子さんの公設秘書を1〜2年勤めてくれないか?」と言われたら、あなたは率直に越後交通を退職して、真紀子さんの公設秘書となることをOKするであろうか?サラリーマンのうち何人が、そのような上司の要請を拒絶できるであろうか?
自分をその場において物事を考える能力に、日本人は劣っているのではないかというのが私の日頃の印象である。
もし朝日新聞の早野コラムニストが越後交通の社員であったなら、彼が上記の質問に何と答えるか、聞かなくても返事はわかる。
なぜそのような単純なことに、天下の朝日新聞のコラムニストともあろうお方が気づかないのであろうかと、実に疑問に思う。
その疑問は、私にとってほとんど「疑惑」に近いものがある。


『サウンドバイト政治、ワンフレーズ・ポリティクスはみんな食傷してきている』だと。
小泉発言はなんなんだ?小泉パフォーマンスはなんなんだ?小泉首相が、サウンドバイト政治、ワンフレーズ・ポリティクスに国民は食傷してきていると思っている、とでも言うつもりか?
前段で述べた毎日新聞の岸井編集委員や、朝日新聞の早野コラムニストにしてからがそうだから、右翼ご用達の産経新聞、体制ご用達の読売新聞、ビジネス業界ご用達の日経新聞の姿勢は、言わずもがなであろう。
これでいいのか、日本?


最近、小泉首相の支持率が50%を超えて上がってきた理由に、「田中外相更迭」で離れた支持の一部が、真紀子さん「公設秘書給与疑惑」の報道により再び小泉首相支持に復帰したと解説する専門家も多い。
真紀子さんは、自らの「公設秘書給与疑惑」の報道を”政争”と捉えており、私もまったく同感だ。真紀子さんを貶めれば貶めるほど、小泉首相の支持率は上昇していく。
よく真紀子さんは過去にあれほど歯に衣着せずズバズバ発言したのだから、今回の「疑惑」に対しても率直に国民に発言すべきである、との論調がある。
過去、真紀子さんは何に対してズバズバ発言してきたのであろうか?
真紀子さんが攻撃的発言をした対象は、まことに数が少ない。真紀子さんは、過去、何か国民の利益を損なうような発言をしたことがあったであろうか?
上記のような論調をとる人々は、真紀子さんに「今後、たとえ正しい発言でも慎むように」とでも言いたいのであろうか?
あるいは、暗に、真紀子さん以外の人々に対して、今後権力に逆らうような発言をすれば、みな真紀子さんと同様のハメに陥るのだぞ、と警告しているのであろうか?
そうであろうとなかろうと、いずれにせよ今後この日本で、権力体制に刃向かうような過激な発言をする人物は、もはやほとんど出てこないのではなかろうか?
それでいいのか、日本?


単なる疑いで、政治家に対する「検察介入」をテレビで公言する民主党の永田寿康衆院議員は、国民から立法を付託された立場を裏切った「政治家失格」人間だ。
毎日新聞の岸井成格役員待遇編集委員と朝日新聞の早野透コラムニストは、大衆におもね、大衆を煽動するポピュリズムに犯された「ジャーナリスト失格」人間だ。


日本のマスメディアは、真紀子さんの「公設秘書疑惑」の偏向報道を自らどのように位置づけているのであろうか?
おりしも小泉「国家主義」内閣は、多数の国民の反対を押し切り、国会における故小渕首相の付帯条件発言を無視し、8月5日からの「住基ネット」の施行開始に邁進している。
そのような折に、「住基ネット」に絡む記事を矮小化し、2年後実施の新札発行記事に大きな紙面を割くという日本のマスメディアの姿勢を、ここに私は断罪する!
(2002/08/03)

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