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<Taka remarks>
田勢康弘氏
「風見鶏」と田勢記者
日経新聞月曜日の定番”風見鶏”は、毎週楽しみにしている読者も多いと思われる人気コラムの一つである。
日経の編集委員が、持ち回りで約2カ月に一回、各人の得意分野におけるその時どきのトピックを題材に、署名入りでそれぞれの健筆をふるっている。
私のホームページでも、かなり記事を取り上げてきた。なかでも「田勢編集委員」は、格別の存在である。
どう格別かというと、悪い意味でそうなのである。
例えば、私のホームページの中の、Taka watches/「小泉内閣宣伝相」田勢康弘 −オチブレタ元ジャーナリストーと題するコメントは、次の文章から始まる。
『田勢康弘氏。日経新聞編集委員。あなたはもうダメダ。』
さらには、Taka remarks/「日経新聞」と田勢記者 −自虐的元ジャーナリストの話ーと題するコメントの中には、次のような文章もある。
『小泉首相にジャーナリスト魂を売って、この男の文は明らかに変質してしまった。そこここに単純な「自己矛盾」や「短絡解釈」が目につく。』
ちょっと酷すぎるであろうか?いやこれでも私は、まだ足りないくらいだと思っている。
日経新聞の人気コラムを使って、「小泉ヨイショ」の記事を発信し続けてきた「元ジャーナリスト」の罪は、限りなく重いはずだ。
その田勢記者が、本日月曜日、”風見鶏”に記事を送り出した。
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DATE・・・・2002/11/04(M-2)
記者 ・・・・編集委員 田勢康弘
TITLE ・・・”風見鶏”/秘密主義政治の功罪
評価 ・・・・A
ここまでコロッと変われるのか、田勢記者?!
この記事で田勢記者が書いている内容は、すべて私がこれまでホームページで主張してきたものと、ほとんど同じである。
記事は、次の文から始まる。
『与党の政治家に会うと、みな浮かぬ顔をしている。「民主党がしっかりしないからだめなんだ」と思いもかけぬ言葉を口にする人さえいる。』
民主党に関しては、私は次のコメントをホームページに掲載している。
Taka remarks/鳩山由紀夫氏/鳩山代表の”軽々しい”重大な決意
Taka remarks/鳩山由紀夫氏/「鳩山的反応」とはこのことだ!
Taka remarks/鳩山由紀夫氏/どの面(ツラ)下げて再出馬
ひと口に言って、民主党が野党としての機能を果たしていないことに問題がある。
鳩山代表は、これまで、野党の党首というよりは、小泉内閣の「陰の官房長官」とも言うべき趣で、小泉内閣に対応してきた。
小泉内閣がここまでやってこられた背景には、内閣の失政を咎めるべきところで逆にこれを結果的に手助けしてきた、「野党第一党」である鳩山民主党の野党としての機能不全に大いなる要因があったことは明白である。
与党の政治家ですら、「民主党がしっかりしないからだめなんだ」と発言する裏には、もともと与党は、自分たちが送り出している内閣の政策に反対することは不自然であって、内閣の失政を国会で咎めるべきは「野党の仕事」のはずだという思いがある。
ところが、その野党第一党党首が、与党が送り出している小泉首相にしばしばエールを送ったりするのだから、話はこじれている。
また、かなり多数の民主党議員が、ほとんど自民党議員と同様の主義主張を持っていることも、野党としての民主党の機能を曖昧にしている。
いずれにせよ、オールドであろうがニューであろうが、鳩山由紀夫氏が代表を務める民主党に、「野党第一党」としての明日はない、というのが私の確信だ。
にもかかわらず、田勢記者が、次のように言うのは驚きだ。
『民主党が代表選、衆参補選を、日朝の大騒ぎのさ中で迎えざるをえなかったのは、実に気の毒であった。』
民主党の補選敗北は、私が上述した鳩山民主党の内包する本質的な部分から結果として生じたもので、日朝の大騒ぎが関係したとする田勢記者の見解は、見当違いもいいところである。
私のコメント「どの面(ツラ)下げて再出馬」を読んでいただければ、誰だって鳩山民主党に票を入れてもムダだという気になると思うが。だから、投票率が伸びなかった。
それにだ、「日朝の大騒ぎ」が、小泉政権を利して民主党に不利に働いたというのは、民主党が「日朝の大騒ぎ」を正しく理解していなかったところに、コトの本質があるのだ。
私のホームページの小泉訪朝に関するコメント、Today’s Shot/もてあそぶ男「小泉純一郎」を読んでいただきたい。
拉致被害者の死亡年月日記載リストの重大性を無視して、欠陥宣言である「日朝平壌宣言」に署名したのは、誰であったか?そもそも、小泉訪朝の目的とは何だったのか?
訪朝前に小泉首相が米国ブッシュ大統領を訪問した際、大統領は小泉首相に、北朝鮮が国際条約に違反し秘密裏に核開発を進め、日本を射程に入れた1〜2個の核兵器すら所有している可能性があるとの重大情報を提供していたという。
にもかかわらず、国民、国会、閣僚にも一切その重大情報を開示せず、「日朝平壌宣言」に署名したという、それこそ小泉流「秘密主義」外交の真の目的は何であったのか?
「日朝の大騒ぎ」が、民主党に不利に働いたとすれば、それは小泉失政を追及できなかった民主党自身が招いたことで、田勢記者の見解は、的が外れていると言わざるを得ない。
次に田勢記者が指摘していることは、
与党の政治家は、『補欠選挙で5勝1敗1分けと大勝したのに誰もうれしそうな顔をしていない。浮かぬ顔の原因は、小泉政治の「秘密主義」にあるらしい』
という点である。私は一つ、面白いことに気づいた。
田勢記者は、本文で一度たりとも、あの「抵抗勢力」という言葉を使っていないのである。あの「抵抗勢力」という言葉の大好きな田勢記者がである。
このことだけでも、本文の田勢記者が、これまでの「小泉ヨイショ」の田勢記者とは別人であることがわかる。もし人間が、そうそう簡単に別人になることができるのであればの話だが。
それはそれとして、小泉政治の秘密主義においては、『人事も政策も、何がどこで決められているのかさえ知らされない、といういら立ち。耳に入ったときはほぼ決定しているときだから、反対ののろしをあげる間もない』のが、与党の政治家の状況らしい。
これまで田勢記者は、『党三役や派閥を軸にして水面下で根回しを行なう』という『従来の自民党的意思決定のやり方』を否定し、自民党抵抗勢力の圧力を排除するためには、小泉首相のやり方は正しいと主張してきたはずである。
それが、『与党の存在を無視するかのような政策決定のあり方は、いささか民主主義的ではないと言わざるを得ない』とまで変わってきてしまった。
変われば変わるもんだ?コロッと主張が変質してしまっている。
『小泉内閣では、首相以外にすべてを知っている人物はいない。金融のように内容を任せっきりにしているものについては、首相も知らないことがたくさんあるだろう』と田勢記者は言い、ここが驚きのポイントだが、青木幹雄・参院自民党幹事長が竹中平蔵・財経金融担当相にすごんだとされる、あのチマタで評判の悪い発言「あんた全部責任取れるんかね」の発言に対してすら、
『「事前に何の相談もない」という党内の空気を、青木氏が代表してぶつけた格好だ』
と、なにやらエラク物分りがいいのである。
誤解しないでいただきたいのだが、私は、青木参院幹事長の発言は、妥当だと思っている。驚くのは、擦り寄ってきた田勢記者の姿勢の方だ。
これまで日経新聞の「小泉宣伝相」として、自民党抵抗勢力批判を中心とした数々の「小泉ヨイショ」記事を流してきた田勢記者が、抵抗勢力「橋本派」の大幹部である青木参院幹事長の、しかも小泉首相が「丸投げ」のお墨付きを与えた竹中全権金融担当相に対しての暴言(?)を、これほど好意的に解釈できるとは・・・。
田勢記者、オマエッテ、何者ナンダ?
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『「自民党には金融問題に精通している人物は何人もいる。学者としての評価も定まらない人物に、国家の基本政策を一任してしまっていいのか。責任は誰がとるのか」と自民党有力者は声を荒げ、「このままでは壊れるのは自民党ではなく、日本そのものだ」と言う。』
これがあの「小泉ヨイショ」の田勢記者が書く言葉か?
先般の改造人事で、柳沢金融担当相を更迭し、竹中財経担当相に金融担当相を兼務させ、この竹中財経金融担当相に不良債権処理問題を「丸投げ」して全権委任したのは、誰あろう田勢記者ご推奨の小泉首相ではなかったか?
「責任は誰がとるのか」と言ったって、竹中大臣は、私がとると言っているし、小泉首相だって、自分がとると言うに決まっている。
なぜなら、小泉内閣における責任のとり方は、辞めることではなく、仕事をしっかり続けて行くことが「責任のとり方」だと決まっているからだ。ホンマでっせ。
一体全体、田勢記者の本文には「抵抗勢力」のテの字も出てこないし、書かれている内容は、これまで「抵抗勢力」と言われてきた自民党有力政治家が口にする言葉ばかりだ。
田勢記者、アンタ、ドウナッテンノ?
私はもともと、小泉首相なんて毛ほども信用してなかったから、現在、抵抗勢力が声を大にし始めた小泉批判の内容は、よく理解できる。
しかし田勢記者、アンタは今まであれほど「抵抗勢力」批判を続けてきて、小泉首相は結果として、道路公団や郵政事業など自民党の旧弊部分に次々と手をつけているから期待できるのだというようなことを、以前のこの”風見鶏”のコラムで叫んでいたではないか?
小泉構造改革を後戻りさせてはいけない、それがあなたの信念ではなかったのか?
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本文の後半部分で、田勢記者は、「秘密主義」の小泉手法と世論に支えられた小泉内閣そのものの矛盾について取り上げている。小泉首相と小泉内閣の本丸に手を突っ込んだ形となっている。
本文の最後には、次のような言葉まで飛び出した。驚きだ!
『見た目ほどこの与党体制は強固ではないし、最近の内閣の寿命を考えると、もう危険水域に入っている。』
なんとこれは、私がホームページに最近アップした、Today’s Shot/小泉、ナニ考エテンダ? で提示した、「小泉御用」の政局スタートの見方と、まったく同じではないか。
『政治には「驚き」が重要な意味を持つ。(略)首相訪朝のように驚天動地の政治的ニュースは、好意的反応となって表れる。(略)だから、「秘密主義」の魔力に小泉首相も周辺も取りつかれるのだ。』
そして、ごく最近まで自分が片棒を担いでいた小泉内閣の高支持率を、こう分析さえしてみせる。
『与党が文句を言えば言うほど、小泉首相に対する支持率は高まる。それと同じような構図で、金融界が怒りをあらわにすればするほど、竹中構想は正しいのではないかと世間は思ってしまうのである。ちょうど、長野県の田中康夫知事と保守派県議団との関係のように。』
どうも、最後に長野県の田中康夫知事と県議団の話を持ってきたところは意味不明であるが、小泉首相の高支持率を、与党に文句を言うところに捉えているのは正解であろう。
『与党の(磐石な)基盤の上に立つ首相自身が、与党と対立するようなことをし続ける。それに世論が拍手喝采し、人気が高まり、その恩恵で与党は選挙にも勝つ、という屈折し、しかも皮肉な構造だ。』
一体全体、あの「小泉ヨイショ」記者は、どこに行ってしまったんだろう?さすがは”風見鶏”の人気コラムニスト、などと冗談ごとに済ませてはいられない。
全国紙という公共メディアを通じて日本のみならず世界に情報を発信する「日経新聞」の編集委員が、コラム”風見鶏”にコメントを掲載しているからといって、記者自身が”風見鶏”であっては読者がたまったもんではない。
田勢記者、アンタ、ドウシタノ?
もし、心底から本文に書かれたことを信じているのであれば、田勢記者、私はあなたに、まず過去の「小泉ヨイショ」記事に対する反省の弁を、日経新聞の読者に述べてもらいたい。あれは、いったい何だったのか?
あなたが、小泉首相の政治行動を支持した理由は、何だったのか?それは、正しかったのか?誤りであったのか?
そこを、はっきりさせてほしい。
それに加えて、特に私が関心を引かれるのは、何があなたを小泉首相から引き離したのか?だ。
あなたが、小泉首相と同じ「経済音痴」であることは、よくわかっている。
だから、まさか「経済問題」すなわち今回の竹中ショックと言われる不良債権処理に絡む「金融問題」が、あなたを小泉首相から引き離した直接の動機であるとは、とても思えない。竹中財経金融担当相と銀行の対決は、そんなに簡単に答えの出る問題ではないし、たとえ実行されたにせよ、世間で言われるほど株価が急落するとも思えない。なにしろ、日本の株式市場は、かなりの管理・談合相場であるし、日銀の「禁じ手」株直接買い取りもあることだから。
私は、ひょっとしたら、日朝首脳会談とその後の「日朝平壌宣言」署名という重大外交交渉における、小泉首相による「北朝鮮核開発隠し」が、田勢記者の小泉離れの直接的理由ではないかとも推測する。
有能なジャーナリストでなくとも、ごく普通の神経をしている報道関係者であれば、この小泉首相による国民、国会議員、閣僚に対する「北朝鮮核開発隠し」による「日朝平壌宣言」署名は、とても受け入れられるものではない。
田勢記者の言葉を借りれば、最近、与党の政治家がみな「浮かぬ顔をしている」のも、単に経済問題のみならず、「北朝鮮核開発隠し」によって「日朝平壌宣言」に署名をするという売国奴的な首相に対して、いくら許容範囲の広い自民党であっても、さすがに「許せることと許せないことがある」というのが、真の理由なのではなかろうか?
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田勢記者は、『与党内、とくに自民党内部に沈殿している不満の量は、相当なものである。経済がさらに下降したりすれば、爆発しかねない』と、不満の原因を経済問題に求める見方をとっているが、私は、そうは見ない。
自民党有力者が声を荒げ、「このままでは壊れるのは自民党ではなく、日本そのものだ」と言うのは、当初は経済問題より発したかもしれないが、もしそうなら、政府側が、金融機関の「税効果資本」見直しを撤回した段階で、「小泉降ろし」は静まってしまうのではないかと思われる。
田勢記者の文章も、不満の爆発は、「経済がさらに下降したりすれば」という条件付となっている。
私は、そうは思わない。10月6日の中曽根元首相の発言で口火を切った「小泉降ろし」の波は、決して静まることはない。
「このままでは壊れるのは自民党ではなく、日本そのものだ」という発言は、当初は経済問題から発したかもしれないが、今やそれは文字通りの意味で、このまま平気で売国奴のマネをする小泉首相をそのままにしておいたら、次はホントニ日本をぶっ壊すようなことをしでかすかもしれない、という自民党有力政治家たちの危機感を表わしていると考えられる。
小泉首相がこんな男だとは、彼らにとっても予想外であったに違いない。
こんな傾き者(カブキモノ)に、日本を任せておいては、国が傾いてしまう
それが彼らの腹の内であろう。〔傾き者(カブキモノ)=変人。傾き→歌舞伎〕
田勢記者、ほんとに何で小泉首相に対する見方を一変したのか、理由を教えて下さいよ!
ご参考:
Taka remarks/2001/04/30(M-2)”風見鶏”「高杉晋作」と小泉首相
Taka remarks/2001/06/04(M-2)”風見鶏”「天辺の月」と小泉首相
Taka remarks/2001/08/20(M-2)”風見鶏”「靖国の夏」が終わって/「小泉首相の夏」が終わって
Taka remarks/2001/11/19(M-2)”風見鶏”「政局になる」か小泉改革/「田勢記者」と小泉首相
Taka watches/2002/02/18(M-2)”風見鶏”「動けば雷電の如く」あれ/「小泉内閣宣伝相」田勢康弘
Taka watches/2002/03/18(M-2)”風見鶏”「この道はいつか来た道」/この道はかってない危うい道
Taka remarks/2002/05/06(M-2)”風見鶏”「後より晴るる野路の村雨」/「日経新聞」と田勢記者
(2002/11/04)
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