<Taka remarks>
小泉純一郎氏 「信なくば立たず/やってから考える」
「天辺の月」と小泉首相
DATE・・・・2001/06/04(M-2)
記者・・・・・編集委員 田勢康弘
TITLE ・・・”風見鶏”/「天辺の月」と小泉首相/予算編成に向け解散権温存
評価・・・・・A Recommend!
『小泉純一郎氏は米国ではほとんど知られていない。』という文頭の一文で、”何故これまで小泉氏は米国で知られていなかったのだろう?”という単純な疑問が湧いた。チャンスがなかったから?しかし一面で、チャンスとは自ら切り拓くものであるということも言える。このグローバル化した現代社会において、少なくとも良きにつけ悪しきにつけ、米国に関心を持たずして日本の将来を語れようか?「日本外交にとって一番大事なのは日米関係」こう彼は語っているが、果たして彼にとって、米国とはどのような国なのであろうか?
『ブッシュ政権のアジア戦略を取材するために出かけた米国で、「野党へ政権が移ったわけでもないのに、いったい、日本に何が起きたのか」と会う人すべてに聞かれた。日本の政治を30年近く見てきている身にさえ、何が起きたのかよくわからないのである。』という自問に、田勢氏は次のように自答している。
『それにしても前内閣の支持率と比較すると、あまりにもバランス感覚を欠く日本社会が不安になってくる。』と彼は、日本の国民の政治意識に疑問を投げかけている。Japan Problem/国民の政治意識
もっともである。何といってもあのどうしようもない森前内閣を、森派会長として裏から1年間支えてきたのは他ならぬ小泉氏であったのだから。田勢氏もいっている。『総裁選に3度も挑み、派閥の会長まで経験した小泉氏は、ワイドショーが描き出しているようなうぶなアイドル政治家ではない。』
バランス感覚を欠く日本社会に不安を感じる田勢氏は、続けていう。『これほど情緒的な国民性だから、核兵器を持たないという選択はやはり正しいと妙に腑に落ちたりするから不思議だ。』田勢氏は、政府・行政が推進している”プルサーマル計画”について、どう考えているのだろうか?Taka watches/2001/05/21(M-2)
「風吹けども 動ぜず 天辺の月」は、『いま小泉首相がもっとも気に入っている』という、『鎌倉の円覚寺の足立大進管長が贈った扁額にある禅の言葉』だそうだ。孤高の月は、確かに小泉首相のイメージに相応しい。一部に小泉氏を称して「正義の使者 月光仮面」などと言う向きもあるようだが、なぜか彼には月のイメージが合うようだ。日没を向かえた日本政治に忽然として現れた希望の”月”といったところであるが、もしこの”月”が失敗に終わるようだと、日本の政治は、真の闇夜となってしまうかもしれない。
田勢氏は予想する。『激動の時期は秋から冬。大胆な構造改革を形にあらわそうとする来年度予算編成で、与党内部の抵抗は想像を絶するような激しいものになるだろう。「衆参同日選挙をやれば、必要なときに解散権を行使できなくなる」伝家の宝刀解散権は、通常、野党に向かって抜くものだが、この予測不能な首相は、党内反対勢力へ向かって解散権をちらつかせるという手法を選ぶように思える。』
小泉首相をとりまく話には、政治的なものが多い。いま日本がもっとも必要としていること、すなわち何故この時点で小泉氏が首相たり得たかということを、彼はじっくり考え直すべきである。本文を読んで私がもっとも印象深い一点は、文中に、小泉首相が不良債権処理と財政改革をやり遂げながら、並行して景気維持、株式市場安定を達成できるかという最大の疑問に触れている部分がないことである。田勢氏のジャーナリストとしての鋭い嗅覚が、無意識のうちに、小泉政権はその困難なジョブを達成できないことを嗅ぎ出してしまっている、と考えるのはうがち過ぎであろうか?
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