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「破壊こそ再生への近道」



DATE・・・・2002/03/10(M-7)
記者 ・・・・編集委員 
西岡幸一
TITLE ・・・”経営の視点”/破壊こそ再生への近道/「荷物」放り出し強み生かせ
評価 ・・・・A



こんな面白い編集委員がいたんだ!

コラムのタイトルが”経営の視点”というだけあって、主題は三菱電機の経営についてである。
ただ、こんなことを言っては申し訳ないが、記者が提起している、
@『言葉だけではなく、壊す体力があるうちに、しっかりリストラ(4000人の人員削減)を実行すること。』
A『身の丈に相応しく、GEではなく、米有力産業電子機器メーカーのエマーソン・エレクトリック辺りをベンチマークとする方がよい。』
B『昇降機事業は、装置の製造・販売よりも、サービスを提供する事業とするなど、業界トップにある事業をさらに強化する発想を具体化する。』
などということには、あまり興味が湧かなかった。

しかし西岡記者は、上記以外にも、示唆に富む鋭い指摘で、国際的な視野の持ち主であることをうかがわせた。
しかも、たまらず笑ってしまうような面白い比喩を交えたフレーズを連発するので、読んでいるととても快い刺激的な印象を受けた。


『(日本のIT企業)大手6社(三菱、日立、東芝、NEC,富士通、松下)合計で約2兆円の最終赤字という2001年度の驚くべき不振で、IT業界は脳震盪を起こしているように見える。』

脳震盪だと!

『トリプルA企業とみられ、従業員も経営者も大船に乗った気持ちでいた企業が何のことはない、泥舟であることが判明して「荷物」を放り出している。』

「荷物」って、リストラされた社員も含んでいるね。可哀相に、「荷物」扱いにされてしまって。

今度はマジで決めている。
『なまじ2002年度に回復することが、2003年度以降に再び沈没する伏線ではなんにもならない。
しかし世界競争での位置が着実に後退していては、その懸念が現実化しそうだ。
身を削るだけの日本企業に対して、需要回復を見越した半導体、液晶などの設備投資や電子機器の生産システムの改革は、海外企業の方が先行している。情報サービス企業化は格段にIBMが進んでいる。』

日本政府のとってきた経済政策は、純国産の国際優良企業の足を引っ張り国際競争力を低下させる犠牲の下に、長年に渡る保護政策によって生産性の劣った業界の、国際競争力のない数多くの企業を助ける誤った政策であった。
その国際優良企業自身が、まだまだ自分たちは大丈夫と過信している間に、世界の市場原理の中で知らず知らず取り残され、気がついたらかってのがっしりした身体の中味は、ほとんど体力を使い果たしてボロボロの状態となっていたのが、西岡記者も指摘する日本のほとんどの元国際優良企業の現実ではあるまいか。

『マージャンでいえば、2001年度はまずい経営戦略の結果、いわば「振り込んで」日本企業の大負け。
2002年度は戦略を立て直しても、向こうの腕力で「つもられ」負け。
その後は勝負に参加できず負け、の恐れがある。』

マージャンしない人には分かっていただけなのが残念であるが、この「振り込んで」「つもられて」「勝負に参加できずに」の例えは、まさに倍満いや役満的どんぴしゃの比喩なのである。オモシロ〜!

『三菱電機なら、総合電機3位に意味はない。ミクロの業界ごとに勝者はせいぜい1,2社という小選挙区制の構図の中で3位は落選だ。』

いえてる、いえてる。確かにいまや市場競争の激しさは、「小選挙区制」状態だ。
昔の上位3〜4名当選の中選挙区制や、名簿上位で参加と同時に当選確定などという「比例選挙」状態ではないのだ。

この西岡記者、面白〜い!
何ひとつ解決せず、自分の解決能力の欠如を覆い隠すために、次々と問題を引き起こしては複雑化していく「疲れる男」小泉純一郎。
そのおかげでコリカタマッタ頭の芯を凝りほぐしてくれるような、上質のユーモアと鋭い示唆を併せ持った日経新聞編集委員西岡記者の今後の記事に、大いに期待したい。
(2002/03/12)

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