the NIKKEI-watcher


Taka watches



「小泉内閣宣伝相 田勢康弘」
オチブレタ元ジャーナリスト



DATE・・・・2002/02/18(M-2)
記者 ・・・・編集委員 
田勢康弘
TITLE ・・・”風見鶏”/「動けば雷電の如く」あれ/前進以外首相に道なし
評価 ・・・・C


田勢康弘氏。日経新聞編集委員。あなたはもうダメダ。

総理大臣執務室。説明に訪れる各省幹部が小泉首相の前に坐る。
時折、首相の大きな声が飛ぶ。
「わかった。要するにおれがやろうとしている
改革は、無理だというんだな。君達の説明はわかった。
しかし、総理大臣のおれがやるといっているんだ。そういう内容のものを持って、出直してこい」
首相が投げ返した書類が散る。それを集めて退散する官僚たち。
このところ、こういう場面が増えているらしい。


なるほど。小泉首相もやるもんだ。
口先だけの人間で、官僚にはお知恵拝借とばかりヘコヘコしているのかと思っていたら、とんでもない。
各省の幹部官僚を怒鳴りつけるなんて、大したもんだ。
投げ返された書類を、幹部官僚が拾い集めて退散していく図が目に浮かぶ。
小泉首相はやはり「改革」に本気だ!彼は必死にやっている。
みんなで小泉首相の「改革」を支えよう!

田勢記者は、読者のどのような反応を期待しているのであろうか?
まさか意識的に、『大きなスキャンダルでもなければこれほど大きく下がることは考えられない』と彼自身が言う、小泉内閣の支持率回復を目指して、上述のような反応を期待したとは思えないが。


しかし田勢記者の文章は、それだけにはとどまらないのだ。
小泉内閣支持率急落のA級戦犯と見なされる田中前外相への「口」撃は、手厳しい。

いずれにしろ、ブッシュ米大統領訪日前に、外相を交代させざるを得ないという事情があったことは間違いのないところだ。

これは初耳である。驚いた、なんなの、この話は?という感じである。
ムチャクチャだ!小泉首相のやることみたいに、ハチャメチャだ!
ブッシュ大統領は、2月17日に来日した。
田中前外相は、NGO二団体のアフガン会議参加拒絶問題に端を発したゴタゴタで、1月29日深夜、小泉首相によって更迭された。そして世間では、NGO問題においては、田中前外相は褒められこそすれ、更迭されるいわれはないと考えられている。
だからこそ、それを断行した小泉首相に対する支持率が、前回(昨年11月)の78%から55%へと急落したのだ。

それを田勢記者は、「いずれにしろ、ブッシュ米大統領訪日前に、外相を交代させざるを得ないという事情があったことは間違いのないところだ」と言う。これはどういうことなんだ?
「いずれにしろ」という意味は、田中前外相に理アリと見られるNGO問題に絡めての更迭という現実は抜きにしても、「いずれにしろ」、ブッシュ大統領の訪日(2月17日)以前に、田中前外相を更迭しておかなければならない事情であったと、田勢記者は言っているのだ。しかも「間違いのないところだ」と。

いくら小泉首相が「おれは総理大臣なんだ」とイタケダカになっても、いくら田中前外相が過去に舌禍トラブルを何度も引き起こしていたとしても、現時点で、すなわち1月29日から2月17日までの間に、何も問題を起こさなければ、無理やり辞めさせるわけにはいくまい。
小泉首相と福田官房長官の官邸サイドは(田勢記者も含めて)、そのわずか半月の間に、田中前外相が都合よく新たなトラブルを引き起こして更迭の理由を自ら作ってくれると、確信していたのであろうか?
日本にとって最重要外交行事であるべきブッシュ訪日を前にして、そんなことを確信して外相更迭がスケヂュールに入っているような内閣が、いったいどこの世界にあるのだ?

そういうとぼけたことを言っているから、田勢記者、あなたに私はこのような失礼なことを申し上げるのだ。
「あなたはもうダメダ。」


それだけにとどまらない。
国民は小泉首相にこれまでの政治・経済構造の破壊をのぞんだのである。ある意味で「革命」を期待したのである。

小泉内閣誕生直後の昨年4月30日発表の日経世論調査において、「小泉内閣に優先的に処理してほしい政策課題」として、「景気回復」と「構造改革」の両立・調和を求める声が多かった。参院選前の世論調査でもそうであったし、いま世論調査をやっても、答えは同じであろう。
国民は、「構造改革」と「景気回復」の両者を同時に求めている。当たりまえの話だ。
「景気回復」をのぞまない国民が、どこの世界にいるであろうか?

「破壊」だけに焦点を当てる田勢記者は、小泉首相が「破壊」だけしかできない男であることを、読み切っているのであろうか?
それにしても「景気回復」を同時にのぞんでいる国民の認識とのズレは、ジャーナリストとしての田勢記者にとって致命的なように思われる。


まだあるから怖い。
「結局小泉内閣でも何もできない」と決めつけるのはたやすい。しかしながら、この内閣に落第の烙印を押したら、あとに誰がいるのか。「改革」にはある程度時間がかかる。人材飢饉の日本、もう少し、小泉氏に任せてみるしかない。

なにをドシロウトみたいなことを言って。
この手の「もの言い」は、ヤフーの「政治」掲示板にもよく登場する。
シロウトと同じようなことを、日経新聞の編集委員ともあろうお方が、主張してどうなる?
だからあなたは、私にそう言われる。
「あなたはもうダメダ」と。


私はしばしば、ヤフーの「政治」掲示板に投稿する。
田勢記者とほぼ同種の考え方であるご意見に対して、私は次のように反論した。

ある種の日本人 2002年1月31日
メッセージ: 11267
このトピでもう何度も言ってきました。
ある種の日本人は、こういう考え方をするのが大好きだ。

>今国民が期待を持って迎えられる小泉総理に変わる人、誰が居ますか?
居なけりゃ期待するしかないよな。

「ほんとは代えたいんだけど、 代わりの人間がいないから、そのままやらせておくよりしょうがない。」
こういうものの考え方は、後ろ向きで不健全です。自分に信念がないことを露呈し、結果的に小泉総理がうまくやればやはり自分が選んだとおりだと、うまくやれなかった場合はもともと自分は期待していなかったから予想通りだと、いずれの場合も他人の褌で自己満足を演出し、自らを甘やかすネガティブで無責任なものの考え方なのです。
そういうものの考え方をする国民は、為政者から軽んじられ、ナメラレ、「痛み」を与えられて、結局苦しく面白くない人生を送らねばならなくなります。

代わる人がいないんですか?これだけ人間がいて・・・?
まず責任をとって辞めてもらいましょう。そうすれば、続々人材が手を挙げるかもしれませんよ。
もし人材がなさそうでも、誰かにやらせてみませんか?予想だにしない潜在力を表に発揮する人物が出てくるかもしれませんよ。
だめならまた次の人にやってもらいましょう。そうこうするうちに、若い人たちの中から人材が育ってくるかもしれませんよ。
それが民主主義ではありませんか?

もうこの人はダメダという人を、他にいないからと決めつけて居座らせるやり方は、不健全で無責任なやり方ですからもうやめましょう!誰か人材がいるさ、という前向きな姿勢で進もうではありませんか!


同じ長州出身の伊藤博文が、幕末の革命家・高杉晋作の碑銘文に、こう書いた』と田勢記者は語る。
動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し、衆目はがい然として敢えて正視するものなし。此れ我が東行高杉君に非ずや

昨年4月30日の”風見鶏”に、田勢記者は「高杉晋作」と小泉首相という一文を書いた。
小泉首相は、高杉晋作によく似ているという。そして小泉首相自身、高杉晋作が大好きだそうだ。(Xジャパンかと思っていたが。)

そこへ高杉晋作の師匠、吉田松陰の『識見気はく他人に及ぶなく、人の駕御(がぎょ)を受けざる高等の人物なり』という晋作評が登場するとなると、読者は、否応無く、小泉首相も「高等の人物なり」と思い込んでしまいそうになる。
田勢記者、ひょっとしたら意識的にそう仕向けているんですか?


ここで再び総理大臣執務室へ戻ろう。
小泉首相の大きな声が飛ぶ。「わかった。要するにおれがやろうとしている改革は、無理だというんだな。」
これには笑ってしまう。国民に言うのと同じように、役人にもただ「改革」「改革」と怒鳴っているだけらしい。
ところで、あんたの「改革」って何なのよ?
国民も首を傾げているが、さぞ役人も困っているだろう。
小泉という男、ただ「改革」とさえ唱えていれば、誰かが「改革」を持ってきてくれると思っているらしい。
その後に言うことがいいや。「(おれのやろうとしている改革は)無理だというんだな」だって。
経済音痴君の「改革」の中味に無理があれば、どうしたって立案も無理に決まっているではないか。
そして「総理大臣のおれがやると言っているんだ」だと。
あんたは「総理大臣」で偉いわけだ。エラけりゃ「改革」の中味くらい、テメエで考えろって。

小泉首相の態度は、長いものには巻かれろの精神でほんの近年まで、上司が「黒」と言えば白いものでも「黒」と言って世の中を渡ってきた、サラリーマンの悲哀を思い出させる。
「おれは総理大臣なんだ。おれが「改革」と言やあ、お前らさっさと「改革」を持ってこい!」
改革」という言葉を弄ぶ男、小泉純一郎。


田勢記者は、小泉内閣の支持率低下を相当に気にしている。
田中真紀子前外相の更迭で、内閣支持率がど〜んと下がり、昨年4月の就任以来、最大のピンチである。強力な派閥のバックもなく、優れたブレーンもいない首相にとっては、これ以上支持率が下がると、改革そのものが危うくなる。現に与党内部での首相への批判的な声が出始めている。

だから、田勢記者、あなたは小泉支持、小泉擁護の記事を発したのか?
小泉擁護の気が先走って、記事の内容のろれつが回らなくなってしまったのか?
当記事は、あまりにもピントが狂い過ぎている。
あなたは、お友達の関係にある小泉首相に、こうメッセージを送っている。
首相はもう、前に進む以外に道はないのである』と。

私はあなたに、次のメッセージを送りたい。
田勢氏、あなたは、小泉首相と運命を共にする以外に道はない」と。


ご参考:
Taka remarks/2001/04/30(M-2)”風見鶏”「高杉晋作」と小泉首相
Taka remarks/2001/06/04(M-2)”風見鶏”「天辺の月」と小泉首相
Taka remarks/2001/08/26(M-2)”風見鶏”「靖国の夏」が終わって
Taka remarks/2001/11/19(M-2)”風見鶏”「政局になる」か小泉改革
(2002/02/25)

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