the NIKKEI-watcher


Taka watches

the NIKKEI-watcherは、日経新聞政治部の宮本明彦編集委員の記事を、読者の皆さんにRECOMMENDします。
当ウェブサイトではこれまで、Taka remarks/[小泉純一郎氏]「加藤の乱」およびTaka remarks/[小泉純一郎氏]「小泉政権の寿命」の中で同氏の記事を取り上げてきましたが、同氏の政界裏情報の正確さとその暗示に富む予見的な内容は、目が離せないものがあります。それとともに、同氏の一方に偏らない事実に立脚した冷静な視点は、読者の皆さんに推奨できる大きな理由となっています。
今後も、日経新聞紙上にて、同氏の記事に是非ご注目下さい。
(2002/01/21 TAKA)




「ポスト小泉」の混沌



DATE・・・・2002/01/15(M-2)
記者 ・・・・編集委員 宮本明彦 Recommend!
TITLE ・・・”風見鶏”ブレア氏のいない「第三の道」/ポスト小泉、道筋見えぬ野党



当記事のなかには、何人かの政界スタープレーヤーの名前が登場する。小泉純一郎首相、民主党の鳩山由紀夫代表、菅直人幹事長、横路孝弘議員、そして小沢一郎自由党党首である。宮本記者は、「ポスト小泉」に焦点を当てることによって、後継者不在の自民党、野党第一党である民主党の内部対立、自由党党首の小沢一郎氏の揺さぶりなどの動きを浮き彫りにしている。


まず記者は、「野党共闘」に触れる。
発端は民主党の横路氏ら旧社会党系の議員が、小泉首相に同調的名鳩山代表に異を唱え、民主、自由、社民の三党の勉強会を作ろうとしたことだとされている。つまるところ「野党共闘」の本質は、いまひとつパッとしない鳩山氏を代表から降ろそうとする動きにほかならないというわけだ。

そして『その経緯をみると、少しばかり政界話のにおいが漂ってくる』と宮本記者が語るとき、過去に彼の記事を読んで、その後、表に現れてきた事実と合致していた印象から、同記者の裏話は限りなく真実に近いものであると、私は了解している。

民主党議員によると、小沢自由党党首の側近を自称する何人かの議員が、衆院といわず、参院といわず「手柄争いとばかりこもごもに」勉強会を呼びかけてくるのだそうだ。民主党側は小沢氏のハラの内を探ろうと、いろんなルートを使いながら「手を突っ込むのはやめてくれ」と取材に行く。小沢氏は「君の言うことは分かる。誰々にはよく言っておこう」と請け負った後、反小泉の野党共闘論をひとくさりぶつ。この時点で、野党の主導権は第一党の民主党ではなく、手勢わずか30人の小沢氏が握っている。』
その小沢氏にとっては、『野党がどうなろうといっこうに構わない。「ポスト小泉」という対立軸を作るのが狙いなのだろう』と、宮本記者は分析する。


野党第一党である民主党については、どのように語っているであろうか?
不人気野党の内輪もめに、世間の関心は薄い。鳩山氏も菅氏も、民主党幹部が意を砕くのは、バラバラの野党第一党を維持し、その中でヘゲモニーを取ることだ。
しかし記者は、今の自民党内の状況を、『「抵抗勢力」といっても、反小泉の政略家か、業界の代弁者のようにみられるワナに陥っている』として、『野党にとっては幸いなことに、自民党内に、「ポスト小泉」の政策とイメージを明確に打ち出している人物はいない』と断言し、野党にひとつの「政権への道」を描いてみせる。
そこで「しょせん野党」と卑下する必要もない。菅氏が小渕政権の一時期そうであったように、野党党首への期待値が首相を上回れば、政権への道筋もみえてくるのが今様の政治だ。


では同記者は、野党第一党の民主党鳩山代表について、どうみているのであろうか?実は、相当ボロボロに書いている。記者の観点に同感の読者も多いのではなかろうか?私も含めて。
もともと鳩山氏が小泉よりとみられる言動を繰り返したのは、政策的に一致したというよりも、世論の小泉人気に気後れした面が否めない。小泉首相が自民党を割る、といった幸運があればともかく、通常、それで政権はとれない。政権をとるにはトップ自らが、「ポスト小泉」のイメージと期待を世間に植えつけることが必要だ。小泉政権が行き詰まるケースを想定すれば、現時点で誰もが考えるのは、経済状況が一段と深刻になった時である。
現実に危機が起きてから、身を翻すように首相を批判しても、誰も信用しない。
首相への失望が自らの期待に変わるように準備しておくのが、次の政権を狙おうとするトップの役割である。


小泉首相については、『準大手ゼネコン、青木建設が破綻した際にも「構造改革が順調に進んでいる表れ」だと評価するくらいだから、とても(経済状況に)危機感があるとは思えない。金融危機には「大胆かつ柔軟に対応する」と繰り返すばかりだ』と述べ、小泉政権が経済状況の深刻化により行き詰まるケースも読みのうちに入っている印象を受ける。


一方、民主党内で鳩山代表の『潜在的なライバル』と宮本記者が指摘する、菅幹事長についてはどう語っているであろうか?
まず、始めに述べた「三野党勉強会」に、『菅幹事長が「ちょっとのりかかったらしい」とみる見方がいまだにある』と紹介する。その菅氏が、しばしばブレア英首相の「第三の道」を政権構想の引き合いに出すことから、民主党にある「ポスト小泉」の致命的な瑕疵を、次のように語っている。
「第三の道」が狙った政治的効果は、伝統的な労働党の社会的公正重視と、保守党の経済繁栄の追及を足して二で割ったものではない。硬直化した保守党に代え、万年野党のようになった労働党に政権を担わせようと選挙民に思わせる、ブレア氏個人の指導者イメージを作ったことである。
たとえ民主党が「第三の道」の政策論集を作ったとしても、ブレア氏がいなければ、政権への道は果てしなく遠い。


宮本記者が言わんとしているところを要約すると、
@小泉首相が経済状況の深刻化により、行き詰まるケースが想定される。
A自民党内には、「ポスト小泉」を担う人材は見あたらない。
B小沢自由党党首が、「ポスト小泉」の対立軸を確立するため、民主党に「野党共闘」の揺さぶりをかけている。
C民主党の鳩山代表には、次の政権を狙おうとする姿勢が見られない。
D民主党の横路議員らの野党勉強会の本質は、鳩山降ろしにほかならない。
E「第三の道」を唱える民主党菅幹事長の構図には、「ブレア氏」がいない(人材難)という大きな欠陥がある。
となる。

宮本記者の当記事は、経済状況の悪化による流動的政局が予想されるものの、自民党、野党いずれの側にも「ポスト小泉」を担える人材が見あたらぬ現状から、経済・政治両面における混沌の2002年を予見するものなのであろうか?
(2002/01/21)

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