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Stock markets
the Japanese stock market
<ストラテジスト>
前日につけた19年ぶりの日経平均終値9000円割れを受けて、10月4日の日経金融新聞1面が、「クイックサーベイ市場関係者に聞く」と題するアンケート結果を掲載した。
質問項目は、
(1)デフレ対策をどうすべきか?
@減税(その総額と中味)
A公共投資(30兆円枠の是非と具体的な投資先)
B金融政策
C証券・不動産市場の活性化(税制と規制の緩和)
D雇用対策
(2)日経平均の下値の見通し
という内容であった。
まずこの中から、”(2)日経平均の下値の見通し”に対する市場関係者の回答を見てみよう。
菅野雅明・JPモルガン証券調査部長 8500円
霧島和孝・住友生命総合研究所上席主任研究員 8000円近辺
河野龍太郎・BNPパリバ証券チーフエコノミスト 8500円
斎藤満・UFJつばさ証券金融市場調査部長 8500円
中井裕幸・東海東京調査センター投資調査部長 8500〜8600円
芳賀沼千里・野村證券金融研究所ストラテジスト 8800円
藤田勉・日興ソロモン・スミス・バーニー証券株式調査部ディレクター 不明
吉野昌雄・エスジー山一アセットマネジメント投資調査部長 8500円
一人「不明」とか答えたヤツがいるが、こんなのは証券市場で飯を食っていく資格などないな。数字のない市場予測など、まったく無意味だ。
それはともかくとして、大方の予想は、10月中の下値メド8500円というあたりに見事に集約されているようだ。
ところが、そこに一人、「8800円しかも底値をつけるのは意外と早く今後一週間以内では」と回答した人物がいる。芳賀沼千里・野村證券金融研究所ストラテジストである。
結果は皆さんご承知のとおり、週明け7日の月曜日に一気に新安値の終値8688円を記録し、芳賀沼ストラテジストの予想は、わずかに延べ2営業日数にして露と消え果てた。
私は、読者の皆さんご存知のとおり、6日の夜中に「小泉東証訪問」を書き上げた。実は内幕を言えば、そのコメントの中に、上記の芳賀沼ストラテジストの予想がどのくらいもつか、という文章を書き入れるはずであったのだが、睡魔と闘っている間に忘れてしまっていたのが実情であった。
別に私は、予想が当たって自慢したいわけではない。私は常々、新聞紙上で取り上げられる株価予想とか為替予想とかのアンケートの結果が実現するかどうかに注目している者だが、かなりのハイ確率で、2〜3カ月以内にその大半の回答が裏切られた結果に終わるのを見てきた。
おそらく、読者の皆さんも同様の印象を持たれているのではないかと思っている。
私が芳賀沼ストラテジストの予想に注目したのは、別の理由があった。
なぜ私が特に、芳賀沼千里・野村證券金融研究所ストラテジストの予想に注目したかの理由に関係があるので、ここで日経金融新聞のクイックサーベイの他の項目に関する芳賀沼ストラテジストの回答を取り上げたい。
(1)デフレ対策をどうすべきか?に関する質問
@減税(その総額と中味)に対する回答: 1兆5千億円から2兆円程度でいい。
A公共投資(30兆円枠の是非と具体的な投資先): 公共投資を拡大するよりも、配分を見直すほうが重要。
B金融政策: 現状では追加的金融政策は不要。
C証券・不動産市場の活性化(税制と規制の緩和): 証券市場の参加者拡大のためにも、証券税制には見直しの余地がある。
D雇用対策: 失業率が上昇するようなことがあれば、必要になる。
野村証券の芳賀沼ストラテジストは、すでに日本の株式市場の中で押しも押されもしないキャリアを築いている人物である。
彼の株式市場の動向予想は、多くの資金運用担当者に影響を及ぼしていると推測する。
デフレ対策をどうすべきか?に関する上記の芳賀沼ストラテジストの回答を、読者の皆さんはどのように受け取られたであろうか?
彼の回答内容は、一口に言って、小泉首相をはじめとする小泉政権の経済閣僚のこれまでの発言と、まったく同じである。さらに、これまでの芳賀沼ストラテジストによる景気の現状分析と今後の見通しもまた、小泉政権の経済閣僚のそれと軌を一にしてきた。
すなわち、「景気の実態はそれほど悪くない」「景気の見通しは明るい」などであり、そのような考え方の帰結が、「8800円しかも底値をつけるのは意外と早く今後一週間以内では」との今回の回答であったことは明白である。
「小泉東証訪問」の翌営業日に、脳天気な小泉経済運営に対し、株式市場は怒りを爆発させた。それが市場というものだ。
小泉政権の経済運営に追従してきた芳賀沼ストラテジストの予想が、小泉経済運営に対する市場の怒りとともに、わずか2営業日目にして大外れしたのは、理の当然の流れであった。
私はまた、芳賀沼ストラテジスト以外の回答を寄せられた市場関係者の予想の集約である「8500円」についても、おそらく近々破られることは間違いないと推測する。
日本の株式ストラテジストあるいはアナリストと称される人々の実態は、そんなところだ。株式投資家は、心してかかるべきである。そんなこと、もうよくわかっているのかな?
(2002/10/08)
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