the NIKKEI-watcher


Japan Problem/日本の財政赤字

税金の無駄遣い
あなたはコレを許せますか?


7月13日付日経新聞夕刊19面の報道によれば、元要人外国訪問支援室長、松雄克俊被告(55)による内閣官房機密費詐欺事件を捜査していた警視庁捜査2課は、昨年7月に開かれた主要国首脳会議(沖縄サミット)に絡んで外務省の中堅幹部職員(45)らに新たな疑惑が浮上、近く国に対する詐欺容疑で強制捜査に乗り出す方針を固めた、とのことである。

1999年7月に準備事務局が発足した当初から、サミットのロジスティクス(後方支援)にかかわる業者との契約に携わってきた職員らは、サミットの際、都内のハイヤー会社に対し、各国の要人が沖縄県内などで乗車したハイヤーの台数を実際よりも多く発注し、同社は水増しした料金を外務省に請求。水増し分の全額について、このハイヤー会社からタクシーチケットとして受け取っていたとみられ、水増し分の総額は約1200万円に上るという。

あなたはコレを許せますか?

この話に登場してきた外務省のお役人、ハイヤー会社双方共に、この取引には大満足だったに違いない。もちろん表沙汰になるまでは、ということではあるが。外務省が支払った水増し部分は、当然国民の税金から出ている。いま流行の言葉で言えば、”痛み”を感じるのは、国民をおいてほかにない。お役人も”痛み”を感じるって?もうこれからは、うまい汁が吸えなくなるという・・。オイオイヤメテクレ!たしかに彼らはそして彼らの仲間は、そう感じるであろう。なぜなら彼らシロアリ連中にとって、税金を無駄遣いして甘い汁を吸うことは、日常茶飯事化した既得権のようなものなのだから。でもカンベンシテクレ!税金を余分に払うことになる国民の”痛み”と、甘い汁が吸えなくなると嘆くシロアリどもの”痛み”とを比較するのは。 Japan Problem/日本の財政赤字/痛み

皆さんは、今回の一件がたまたま例外的に起こったものであるか、あるいは氷山の一角であるか、いずれとお考えになりますか?私は、今回の件は、警視庁が内閣官房機密費詐欺事件の中で外務省を捜査中に、たまたま疑惑に結びつく資料を発見したために表に浮かび上がってきただけのことで、これに類する話は、日常茶飯事にそこら中に山ほどころがっていると推測している。なぜなら、お分かりのように、当事者はとてもハッピーなのだ。”痛み”を感じるのは、税金を払う国民をおいてほかにないのだ。ここで国民がじっと我慢の沈黙を続ければ、そのような悪事を止めようとする人間はどこにもいないのである。もう一度お尋ねします。

あなたはコレを許せますか?


7月16日日経新聞夕刊で、事件のその後の進展が「外務省職員ら逮捕へ」というタイトルで、第一面トップで取り上げられている。
『警視庁捜査2課は16日、詐欺容疑で外務省経済局の課長補佐(45)と事務官(38)の職員2人と、東京都内のハイヤー会社幹部ら2人の取調べを始めた。容疑が固まり次第、同日午後にも4人を逮捕する。(省略)外務省では経費水増しによる裏金作りが常態化していたとの指摘もあり、捜査2課は構造的な不正行為の全容解明を進める。』

小泉首相の「政策理念と主張」の中にも、数多く「無駄」という言葉が登場する。いわく「行政のリストラを徹底することで無駄を省き」、いわく「無駄な公共事業への予算配分を削る」、いわく・・・。
私はこのウェブサイトで、極々単純な二つの主張をしている。
行政府を代表して首相が、国を代表して国会が、次のことを宣言する。
一つ、今後、いかなる形をとろうが、税金の無駄遣いはいっさいしない。
一つ、日本の主役は、政治家でも官僚でもなく、国民である。
小泉首相は、郵政3事業の民営化、道路特定財源の一般財源への転用、特殊法人、公益法人の抜本的な整理合理化、不良債権の”痛み”を伴う2、3年内の処理、聖域なき構造改革など多彩な政策を掲げ、”無駄”を排除するということもはっきり公言している。しかし、それでもその”無駄”という言葉の中身は、私の主張する”無駄遣い”の無駄とは必ずしも一致していない。皆さんは、小泉首相がそのすべての政策を実行に移せば、日本の社会から、日本の行政から、日本の経済慣行から、すべてのとは言わないまでも、ほとんどの”税金の無駄遣い”が消えてなくなるとお考えであろうか?

私は決してそうは思わない。小泉首相の発言の中には、何かが欠けていると感じる。おそらくそれは、小泉首相が自民党の中にいて、自民党からは決して出ないで、自民党の中から自民党を変えて行こうとしている、まさにその姿勢そのものの中に隠されているような気がしている。上述の外務省経済局職員による国に対する詐欺すなわち国民の税金の私的流用に類する行為は、いくら郵政3事業を民営化しようが、道路特定財源を一般財源へ振り向けようが、なくなるものではない。極論すれば、それは日本の社会にどっぷりと染みついてしまっているのだ。日本人の性癖の一部に埋め込まれてしまっているといっても過言ではないのではなかろうか?
だからこそ、国民全体の心底からの決意表明が必要なのである。これからは、日本は変わるのだという、日本人も変わるのだという、そういう決意表明が必要なのではなかろうか?国民の税金をごまかして私的流用したり、無駄なものに投資して浪費してしまったりすることは、悪いことなのだ、国民に対する重大な背任行為なのだという認識を彼らにもってもらうことが、まず始めの始まりではなかろうか?

人間とは忘れやすいものである。そして実に寛容な存在である。嫌なこと、バカバカシイことは早く頭の中から追い出して、もっと楽しいこと、素晴らしいことを考えたいのが人間のサガである。しかし「税金の無駄遣い」ということに関しては、それではいつまで経っても日本は良くならない。良くならないどころか、どんどん悪くなってしまう。4月19日付日経新聞朝刊39面は、日本の構造的税金の無駄遣いの実態を表す、次のような記事を報道している。

『核燃料サイクル開発機構(核燃機構)が職員数を水増しして報告し、国から余分に給与を受け取っていたとされる問題で、核燃機構の都甲泰正理事長は18日、内部調査の結果を文部科学省の小野元之事務次官に提出した。調査の中で核燃機構は、実際に給与を支払っていた人数より約4%多い人数を定員として国に報告していたことを認めた。記者会見した菊地三郎理事は「職員の年齢構成がいびつなため、やりくりせざるを得なかった」として、今後は報告する定員を実員に近づけていく考えを示した。また、一部の退職金を翌年度予算で賄っていたことも判明。核燃機構は内部チェックの甘さを認めた。』

あなたはコレを許せますか?
(2001/07/16)


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