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Japan Problem/日本の財政赤字
「日本国債の謎」
日本経済のすべては「日本国債」に凝縮される。日本国債が政府によって問題なく発行され続けるかぎり、日本経済の抱えるすべての問題は、真の問題には成り得ない。すべての問題は、国債とともに将来に先送りされてしまう。しかし日本政府は、いつまでこの無節操な国債発行の垂れ流しを続けることができるであろうか?答えははっきりしている。そして、その答えこそが、日本経済の真の問題なのだ。
日本国債は、まことに難しい問題である。しかし、すべての日本経済の問題が、この一点に凝縮されており、我われの子供たちが否応なしに背負わなければならない借金である以上、我われ国民は、ここから目を背けることはできない。世界の七不思議?
日本国債のXデイ
「世界の七不思議?」
DATE・・・・2001/05/05(M-1)
TITLE ・・・銀行の国債保有最高/2000年度末70兆円/融資低迷で急増/金利変動リスクも
日本経済の七不思議、いや世界経済の七不思議を取り上げるとすれば、間違いなく入選するのが”日本国債の謎”であろう。2000年度末で国債発行残高は364兆円に達する。国の歳入に対する割合は、なんと38%にも上る。過去30数年にもわたって赤字国債を乱発し続け巨額の発行残高を積み上げてきたにもかかわらず、日本国債の相場はいっこうに下落しない。もう”国債発行は限界にきている”、こう言われつつ、財政構造改革論者の小泉首相ですら、ウリものの政策の一つは”2001年度新規国債発行額を30兆円以下に抑える”という程度にとどまる。日本経済の最大のリスク要因とも見なされる”債権バブルの崩壊(金利上昇)”が、これまで何故起きなかったのか?5月5日の日経新聞は第一面トップで、関連記事を取り上げた。
『日銀によれば、全国銀行の2000年度末の国債保有残高は、前年度末比1.6倍の70兆円規模に達し、過去最大を更新した。国債発行残高に占める比率は前年度末の13%程度から2割近くに拡大した。特に、都市銀行の保有残高は39兆4千億円と、この2年でほぼ4倍になった。』
『銀行が国債購入を増やしている最大の要因は「国内企業の資金需要の低迷で、貸し出しが伸びず、信用リスクの小さい国債購入に資金を振り向けざるを得なかったため」(日銀幹部)と指摘する声が多い。全国銀行協会によれば、3月末の全国銀行の預金・譲渡性預金残高は521兆円と1年間で約1.8%増加。逆に、貸出残高は458兆円と1.2%減少した。預金の増加傾向にもかかわらず、貸出先の確保が難しい構造要因が銀行の国債保有を加速している。』
2000年度の実質国債発行額は20.3兆円であるから、同年度における全国銀行の国債保有残高の増加43.7兆円は突出している。増加要因として、『1月からの国債売買の即時決済化に対応して、各銀行が国債の受け渡しに支障が出ないように保有残高を積み増したことも背景にある』ようではあるが、最大の要因が次のように記されている。
『日銀が量的金融緩和で市場にお金を供給しても、それが国債投資に回り、企業部門に向かいにくい構図になっている。銀行が主要な買い手となることで、国債が大量に発行されても国債相場は堅調に推移し、長期金利は新発10年物国債利回りで1.3%前後と低位で安定を保っている。』
例えばの話、銀行が資金を企業融資の方へ回し、国債の購入に励まなかったらどうなるであろうか?当然経済の教科書にあるように需要と供給の原則から国債相場は下落し、長期金利は上昇するであろう。金利上昇と、企業への融資と、銀行にとっていずれが望ましい状況であろうか?現在日本が置かれている経済状況において、金利上昇はめまいのするほどのインパクトを、銀行のみならず日本経済全体に及ぼすであろう。借金を背負った企業にとって、金利上昇は、企業の存亡を厳しく問い掛けられるものとなろう。日本経済における最大の借金王”日本国”そのものも、危急存亡の時を向かえよう。
記事は最後に、銀行の大量国債保有リスクの懸念を取り上げる。
『ただ、今年度からの時価会計の完全実施で、銀行は仮に保有国債の評価損が発生すれば、株式と同様に評価損の6割を自己資本から差し引く必要が出てくる。銀行が国債保有を急増させた過去2年間は日銀のゼロ金利政策などにより債券相場が歴史的な高値圏にあり、何らかの要因で長期金利が上昇すれば銀行経営が揺らぎかねない。
金融庁は「銀行の国債保有は残存期間が短くリスクが低い国債に比重を移し、金利上昇の銀行経営への影響は限定的」としているが、銀行アナリストなどは「銀行はこれ以上、国債保有を拡大しにくい」とみている。』
銀行は、そのリスクを承知で、国債を買っているのだ。彼らは買わざるを得ないのだ。一部に、”国債を市場で売らずに日銀が直接引き受ければいい”という主張がある。日銀が買ったとしても、国債そのものにはリスクが残る。日銀が国債を引き受けるということは、同時に日銀が国債のリスクも引き受けたことを意味する。それはまた、日銀の国際的信用性の失墜を意味する。
現状の、日銀が量的金融緩和政策により大量の低利(ゼロまたは限りなくゼロに近い)資金を市場に供給し、その資金により銀行が大量の国債を購入することで、資金を再び国にリターンするやり方は、まさに日銀が直接国債を購入しているのとほとんど変わりはない。その結果は、上述のとうり、日銀と日本国そのもの(日本国債)の国際的信用失墜である。『外国人投資家が4月の第二、第三週と2週間連続で債権を売り越すなど、債券相場に高値警戒感も台頭しつつある。』
国債にからむ上記システム(からくり)は、日本経済における常套手段であることを忘れてはならない。金融機関が土地を担保に企業に資金を融資する”土地資本主義”システムは、日本経済が、土地の価格を右肩上がりに保てた期間はうまく機能したが、土地価格が天井をつけひとたび右肩下がりのカーブを描き始めると、いとも簡単に崩壊した。PKOとよばれた公的年金・簡保資金等による株式市場の買い支え大作戦も、株価が右肩あがりであれば効果を発揮するが、バブル破裂の安値を更新したような昨今の相場水準では、買い支えした機関はすべて莫大な含み損を抱える結果となってしまう。
国債を買い支えしている銀行も、相場が右肩上がり(金利が右肩下がり)の間は機能するが、ひとたび金利が上昇し始めれば、莫大な含み損を抱え込んでしまうこととなる。何時でも、何処でも、連中は同じことをやっている。
(2001/05/05)