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Japan Problem/「行政」の責任を問う
闇の検察「けんか両成敗」(その3)
<大阪府警守口署の”メンツ”>
2001年4月12日。
親族から何度も借金を重ねる息子を怪しんだ母親に付き添われて、専門学校生はこの日大阪府警守口署を訪れ、知り合いのタレントから暴行と恐喝を受けたと被害届を提出した。
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2002年6月14日。
大阪府警守口署はこの日、東京都渋谷区在住のタレント(男、21)を、”恐喝”と”傷害”容疑で逮捕した。
容疑内容は、次のとおり。
『2000年9月に渋谷区の路上で、弟の親しい同級生であった守口市在住の専門学校生(男、20)に対し、友人の渋谷区在住のフリーター(男、21)と二人で暴行を加え、肋骨を折るなどの怪我をさせた上に、「迷惑料」として現金30万円を要求。
専門学校生が要求に応じないため同年10月17日には、守口市内の駐車場に呼び出し顔を殴るなどして3週間の怪我を負わせ、「払わんとどうなるかわかっとるんか」と迫り、60万円を要求。
その結果、12月から昨年3月までに、計45万円を同タレントの口座に振り込ませた疑い。』
タレントは容疑事実を認め、「専門学校生が、自分の家から現金を盗んだのが原因だ」などと話している。
同じく”恐喝”と”傷害”容疑で逮捕されたフリーターも、タレントとの共謀を認めているということだ。
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同年6月28日。
この日「夕刊フジ」が、次のニュースを流した。
『タレントが怪我をさせ、恐喝したとされる専門学校生が、「事件自体が狂言であった」との”陳述書”を、タレント側弁護士を通じて大阪地検に提出していたことが28日、分かった。
専門学校生がタレントに振り込んだ45万円は、タレントの弟と親しかった同専門学校生が、タレントの家から何度もに渡って盗んだ金を返すと約束したためのものであり、肋骨骨折の傷害は、タレントではなく「不良グループ約10人に殴られた」ためによるものであったが、「仕返しを受けるのが怖くて」、タレントに殴られたと警察にウソをついたという。
告訴から1年以上が経過し、「自分のウソが大きくならずによかった」と安堵していた専門学校生は今回の逮捕劇に驚き、「殴られた本当の相手を警察に話したが、”メンツがあるから”と取り上げてくれなかった」とする。』
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タレントの所属事務所によれば、「(タレントは)一度も任意の事情聴取などされず、6月14日にいきなり逮捕された」とのことだ。
逮捕後の取調べでタレントは、専門学校生に会ったのは、仕事で大阪に来た12月上旬のはずだ、と主張した。
所属事務所も、守口市内で第二の傷害事件があったとされる10月17日には、タレントは「東京で映画収録をしており、大阪には帰っていない」、と主張した。
しかし、「(警察には)全く聞いてもらえなかった」(タレント談)状況で、所属事務所は、大阪府警守口署の捜査の不手際と、事件発生から1年半、告訴からでも1年2カ月後に突然逮捕に踏み切った異常なやり方に対して、不審の念を拭い切れないでいる。
一方、大阪府警守口署の西廣三副署長は、こんなことを喋っている。
『そういう”陳述書”が出されたという話は聞いた。(逮捕して身柄をとった以上)こちらとしては、立件する方向で、継続的に捜査を進めている。』(夕刊フジ2002年6月28日)
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同年7月2日。
大阪地検はこの日、「処分保留」でタレントを釈放した。
2000年9月の肋骨骨折に到った第一の傷害容疑については、上述の如く「不良グループ約10人に殴られた」ものと判明。
また10月17日の顔を殴打し3週間の怪我を負わせたとする第二の傷害についても、上述の如くタレントにはアリバイがあり、別の人物による暴行で、しかも被害届とともに提出された医師の診断書もそのときの怪我に対するものであったことが判明。
いずれの傷害容疑も、嫌疑なしの不起訴処分とする方針。
恐喝容疑については、「被害者と示談が成立し、(被害者の)処罰感情も低い」と起訴猶予処分の方針。
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専門学校生の”陳述書”が、6月28日までにタレントの弁護士経由提出されたことによって、大阪府警守口署は同事件の再捜査を始めた。
この結果、専門学校生がタレントに脅迫的な言辞を受けながら殴られたのは12月初旬で、怪我は鼻血を出した程度で医師にも診てもらっておらず、診断書もないということが判明した。
このことをもって、府警は「暴行と脅迫の事実はあり、本人も認めている。捜査手続きに問題はなく、捜査は適正に行われている」とし、捜査事実に基づいた恐喝容疑で、近く追送検するとしている。
ただ大阪地検はすでに、恐喝容疑については、「被害者と示談が成立し、(被害者の)処罰感情も低い」として、起訴猶予処分の方針を決定している。
この”起訴猶予”という処分は、「容疑は成立するが、容疑者の事情を考慮して、検察官の裁量で起訴しない」という代物(しろもの)らしい。
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<山積みの疑問>
専門学校生からタレントへの振り込みは、2000年12月から2001年3月まで続き、合計45万円に達した。
そして2001年4月12日、専門学校生は母親とともに大阪府警守口署を訪れ、被害届を提出した。
専門学校生が後に、「仕返しを受けるのが怖くて」と語っている点から推定しても、彼が自らの意思で警察に被害届を提出したとは思えない。
自らの意思ということになると、すべての行為が故意にタレントを貶めてやろうという意図の下に行われたことになり、それでは逆に専門学校生自身が犯罪者ということになってしまう。
私は、親族に借金を重ねる息子の行状を問い詰めた母親に対して、タレントに暴行されて脅迫されてーーと弁明する専門学校生の姿が目に浮かぶ。
息子は、・・・何度も殴られてやむなく・・・去年の9月に肋骨を骨折したのも奴のセイだったんだ・・・と母親に納得してもらうべく話を肉付けしていく。
母親は話を聞きながら、息子に「それはあんまり酷すぎるわ。これからも繰り返されるかもしれないから、警察に被害届を出しなさい」となったのではないかと思う。
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2001年7月。タレントは「ムサシ隊員」に抜擢され、テレビで番組放映が始まった。
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大阪府警守口署が本件の捜査を開始したのが、2002年2月だという。被害届が提出されてから、約10カ月後のことであった。
この理由を府警は、「守口署管内で殺人事件が相次ぎ、後回しになったため」と言う。
ホントのような、ウソのような話ではある。そんなもんなんだろうか?
守口署は捜査員を東京へ派遣するなど裏付け捜査を進め、3月に専門学校生から「事実確認」した。
守口署は、専門学校生が親族から何度も借金しており、タレントの口座へ振り込んでいた事実も確認した。
そして6月14日、タレントを恐喝と傷害の容疑で逮捕した。
しかし、2000年9月、第一の傷害が行われたというこの時期は、被害者の専門学校生のみならず、加害者といわれたタレントも未だレッキとした「未成年」であった。
未成年同士の、しかも些細な事件を、被害届が提出されてから10カ月も後になって、わざわざ真面目に取り上げるものであろうか?
しかも、逮捕するにあたって、本人や事務所から直接事情聴取をすることがなかった。
まあ相手が成人の事件であれば、府警の言うように、「捜査方法として、逮捕前に本人や事務所から直接事情を聞くのが難しかった」ということが、あり得るのかもしれない。
しかし、相手は事件当時「未成年者」であったわけである。「未成年者」に対して、容疑を否認するチャンスを与えずにいきなり逮捕してしまう・・・というやり方が、ほんとにあるんだろうか?
「未成年者」に対して、報道機関はわざわざ氏名、写真をも掲載しない。
「未成年」であるが故の本人の将来を慮っての、社会における大人のひとつの配慮である。
タレント逮捕を報ずる6月14日の朝刊各紙は、タレントの氏名・写真こそ記載しなかったが、タイトルは「ウルトラマンコスモスを逮捕」などとなっており、誰がどう見ようが、タレントの氏名は公表されたも同然の扱いであった。
後に記すように、この報道による関係者・企業の被害総額は、億単位に上ると言われた。
かかる状況の下でとられた大阪府警守口署の操作手法は、どう考えても世の常識に適うものとは思えない。
某テレビ番組で、かって警察のお世話になったこともある(もちろん成人してからであるが)某タレントが、こうコメントしていたのが印象に残る。「有名人を捕まえたら、手柄が大きいからやったんちゃうか?」
大阪府警守口署は、未成年者の犯罪捜査にあたって、逮捕の前になぜ被疑者の言い分をたった一度も聞かなかったのか?これは、大問題ではなかろうか?
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逮捕後にタレントと所属事務所は、第二の傷害事件に対して、既述の如くアリバイを主張した。
そこに存在しない人間に、そこで犯罪が犯せるわけがない。犯罪捜査の基本である。
大阪府警守口署の捜査官は、被疑者のアリバイすら調べないで逮捕するのだろうか?
それで起訴して、裁判に勝てるというのだろうか?
面の皮が厚いから、アリバイ成立で敗訴になろうとも、どうってことないのであろうか?
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”告訴から1年以上が経過し、「自分のウソが大きくならずによかった」と安堵していた”専門学校生は、唐突なタレント逮捕の報に愕然とした。
テレビ放映されていたチビッコたちの人気番組は、その日のうちに打ち切りが公表された。
専門学校生は、守口署の担当捜査員に、「殴られた本当の相手」を告白した。
これに対する大阪府警守口署の反応は、驚くべきものであった。「”メンツ”があるから」と言ったという。
おそらく「”メンツ”があるから、今更、逮捕を取り下げられるか」、あるいは「”メンツ”があるから、今更オマエのそんな話が通用するか」という意味であったろう。
結局、後に大阪地裁により処分決定されたように、「嫌疑なし」の容疑をかけられ逮捕された事件当時の「未成年者」の将来が、大阪府警守口署の”メンツ”とやらのために、いとも簡単に踏み潰されてしまうものか。
大阪府警守口署の”メンツ”とは、いったいナンボノモンジャとオモテケツカルンヤ?
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6月28日の夕刊フジが、専門学校生が、タレントの弁護士を通じて”陳述書”なるものを、この日までに大阪地検に提出した、と報道した。
そこには、次のような驚くべきことが書かれてあった。
@(専門学校生は)タレントに脅された事実はない。→恐喝容疑の否定
A(専門学校生は)タレントと家族から金を盗み、その返金目的で振り込んだ。→同上
B(専門学校生の)怪我は、別の不良グループから暴行を受けたためであった。→傷害容疑の否定
C事件自体が”狂言”であった。→すべての容疑の存在の否定
この”陳述書”に対しても、府警側に次のような見方があるとは驚きだ。
『(タレントサイドの)弁護士が、ワープロ打ちの下書きをもとに書かせたもの。』(ZAKZAK 2002/07/03)
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6月28日までの被害者による”陳述書”提出により再捜査に乗り出した大阪府警守口署は、新たに12月初旬にタレントが専門学校生に脅迫的言辞と暴行を働いた事実を探り出した。
タレントも事実を認めた。ただし被害者の怪我が鼻血が出た程度のものであり、医師にもかからなかったため、傷害容疑とするには無理があった。
そこで府警守口署は、タレントの脅迫的言辞に的を絞り、恐喝容疑で書類送検することでなんとか”メンツ”を保とうと考えた。
追送検を受けた大阪地検は、「被害者と示談が成立し、(被害者の)処罰感情も低い」ことを理由に”起訴猶予”処分とし、7月2日、タレントを”処分保留”で釈放した。
このタレントと専門学校生との間で成立した「示談」というのは、「お互いに、もうこの件でこれ以上傷つけ合うのは、止めましょう」という程度の覚書ということだ。
もともと両人は、タレントの弟を通じて子供時代から仲良くしていた間柄であり、これ以上のいがみ合いは互いにマイナスしかないとの共通認識のもとに締結された覚書であったろう。
さらに専門学校生は、大阪地検あて提出したその”陳述書”で、「タレントに脅された事実はない」と明言している。
となれば、もともと被疑者に、”恐喝”の容疑はあり得ないことを意味する。
まして被疑者やその家族から金を盗んだ専門学校生が、たとえどのような形で「金を返せ」と言われたとしても、果たしてそれが「恐喝」たり得るのであろうか?
大阪地検が”起訴猶予”とした「(被害者の)処罰感情も低い」との理由は、まったくデタラメナ告訴を演じた被害者が、果たしてタレントに「処罰感情」を抱く法的資格があり得るのかさえ疑わしめる。
このまま”起訴猶予”の”処分保留”という状態で終わってしまえば、タレントの経歴に一生傷が残ってしまうことになる。
自分たちの”メンツ”のみに拘泥し、人を踏みにじってなんとも思わない大阪府警守口署と大阪地検の態度は、決して許せるものではない。
日本の「行政」の責任を問う!
日本の行政は、時として、「うそ」と「怠慢」と「傲慢」と「無責任」で塗り固められている。
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「なんでウルトラコスモスは急に終わっちゃったの?」って子供に聞かれた親は、返事に困っているんですよ。
ヤフーの掲示板にも、チビッコを持つ親からの不満と不審の投書が数多く寄せられた。
タレントの名は、杉浦太陽(たかやす)。「ウルトラマンコスモス」の主役、春野ムサシ隊員の役を演じていた。
所属事務所のスカイコーポレーションの社長は、「将来ある男優の人権を無視した警察は許せない。日本は法治国家なのか」と警察の捜査を批判、国家賠償請求も示唆している。(ZAKZAK 2002/07/03)
2001年7月から放送が始まった円谷プロ(東京)と毎日放送(大阪)の製作による「ウルトラマンコスモス」は、6月14日の主役・杉浦太陽クン逮捕に伴い、6月8日放送分をもって打ち切られ、7月6日からは「ウルトラマンネオス」が9月21日まで再放送予定となっている。
また8月3日からは松竹配給で「ウルトラマンコスモス」の劇場映画が公開予定であった。
未放送の本編や関連商品など関係各社の被害総額は、2億円の”ウルトラ”級ともいわれる。(ZAKZAK 2002/07/03)
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7月8日、東京新宿の京王プラザホテルで、「ウルトラマンコスモス」の主役俳優・杉浦太陽クンの記者会見が行われた。
杉浦クンは、逮捕前に任意の事情聴取があったのかと質問され、
「一度もなかった。朝起きたら、6人の警察官が来て、状況が把握できないまま、新幹線に乗せられた」と答えた。
何たること!事件当時「未成年」であり、しかも大した告訴理由でもない容疑(知り合い同士の脅し、殴り合い)による逮捕に、警察官が6人とは!
恐喝容疑が起訴猶予となったことについては、「納得いかない。友達同士のけんかで、脅したつもりもない。グーで一発殴った。大阪に帰って真面目にやっていると思ったのに、ゲームセンターで遊んでいるので、悲しくなって。殴ったのは大人げないが、人間として間違ったことはしていないと思います」と話した。
ファンである子供たちに向けては、「心配かけてごめんね。これからもいろいろな困難が待ち受けていると思う。でも頑張るから、みんなも見守ってほしい」とメッセージを送った。
同席したウルトラマンの生みの親である円谷プロダクションの円谷一夫社長は、「ウルトラマンコスモスを応援してくれる子供たちの夢を守るため、早く元気な杉浦君を含めたコスモスを復活させたい」と、放送再開に前向きな姿勢を示した。
松竹の久松猛朗映画部長も、「8月3日公開予定の映画版「ウルトラコスモス2☆ブループラネット」は、(杉浦クン主演の)オリジナル版の上映を前向きに検討している」と表明した。
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日本の警察とか検察とかって、いったい何なんだろう?
闇の検察「けんか両成敗」(その1)<私憤か?義憤か?>
同 (その2)<渡真利被告の初公判>
同 (その4)<海パンの侵入者>
同 (その5)<元大阪高検公安部長が言いたかったこと>
をお楽しみに。
(2002/07/10)